【実名告発】ファンの間では「抜きモス」として有名だった…!スニーカーショップ「アトモス」創業者・本明秀文氏が数十億を荒稼ぎした「横流し&横領」の中身
かつてほどの勢いはなくなったとはいえ、今なおスニーカー人気は根強い。「レア物」と呼ばれる限定品が発売されれば、抽選には応募が殺到。 【写真】これはヤバすぎる…横流しするためのスニーカーが詰まった「段ボールの山」! だがもし、スニーカーの売り手である大手販売店が転売の蔓延を助長し、不当に価格が高騰する要因を作り出していたとしたら――。 前編記事につづき、世界的スニーカーショップ「アトモス」創業者・本明秀文氏(56歳)による「横流し」の実態を、元ビジネスパートナーの藤原一正氏(43歳)が実名告発する。
仕入れの7割を横流しして数十億円を儲けた
スニーカーの横流しによって回収した現金は、東京・千駄ヶ谷にある本明氏の妹が経営する会社の事務所に運ばれた。事務所の室内には常時、数億円単位の現金が保管されていたという。 「たとえば、昨年4月に発売されたトラビススコットとナイキのコラボスニーカーですと、店頭での定価は約2万円。これを10万円で横流しすれば、差額の8万円が儲けになります。この1種類だけで3000万円は儲けが出ましたね。 アトモスはナイキから毎年、数万足という単位でレアスニーカーを仕入れていましたが、本明はあらゆるレアスニーカーに関して横流しを行っていた。スニーカーファンにとって衝撃なのは、その割合です。本明は仕入れ全体の約7割を横流しし、市場に出すのは残りの3割ほどでした。これを20年にわたり続けた本明が儲けた金額は、数十億円に上るはずです」 7割も横流しをしていたのであれば、いくら抽選に応募しようと、レア物スニーカーが消費者の手に渡らないのは当然だ。熱心なスニーカーファンの間では「アトモスの抽選は当たらない」ことは有名で、「抜きモス」とも揶揄されていたという。 本明氏のこの横流しビジネスについて知っていたのは、藤原氏を含めてごく少数だった。前述した現金の回収役と妹、アトモス社に勤務する本明氏の腹心の部下数名だけだったという。 「'90年代のスニーカーブームを作った『エアマックス95』にあやかり、この横流しシステムは『95システム』という隠語で呼ばれていました。横流しはすべて本明の指示のもとで行われていた」