【実名告発】ファンの間では「抜きモス」として有名だった…!スニーカーショップ「アトモス」創業者・本明秀文氏が数十億を荒稼ぎした「横流し&横領」の中身
国税に目を付けられないためのカラクリ
これだけ莫大な利益を懐に入れれば、国税当局も黙っていないはず。そこで本明氏は、手の込んだやり方で摘発を免れていたという。 「横流しをする前に、横流しスニーカーはすべてアトモスの店舗で『購入』したことにするのです。スニーカーの納入が決まったらすぐに銀行から多額の現金を出金し、横流し分の正規代金を店に入れる。頻繁に数千万円単位の現金を出金するため、みずほ銀行青山支店の担当者からはかなり怪しまれていた。 本明はさらに、『売った証拠』を残すために、架空の請求書も大量に発行していました。請求書の宛名には、外国人の名前をでっちあげて記入していた」
横流しの「証拠」
藤原氏の手元には、本明氏が指示を出しているLINEや本明氏の妹が横流しについて部下と会話している音声データといった証拠も残っており、本誌もそれを確認している。 たとえば、前述したトラビススコットとナイキのコラボスニーカーの発売翌日である'23年4月27日には、本明氏は藤原氏にLINEで「これ今回のトラビスです。10万以上ついてます。売ってください」と依頼。藤原氏によると、「定価約2万円だが転売市場では10万円以上の値がついているため、すぐに横流しを行ってほしい」という意味だという。 そのほかに、アトモスの店舗が発行した領収書もある。194万8870円、258万7200円、181万1040円などと高額が並び、点数も100点を超えるものばかりだ。 しかも、レジ担当者はすべて同一人物。「レアスニーカーはアトモス店舗で『購入』したことにしてから、各地に横流ししていた。そのことを示す領収書です」と藤原氏は語る。
実の妹が語っていた「横流し」の内容
さらに、「横流しビジネス」に関与していたとされる本明氏の妹と、経理担当者とのやり取りを記録した音声データには、次のような会話が残されていた。 妹「『95』って呼ばれてるお兄さんのホールドスニーカーがあって、ヤードがあって。そこの中から、要はちょっとプレミア付いたような靴をたぶん仕入れてるんだと思うんだよね」 経理担当者「それ誰が担当してるんですかね?」 妹「KとかHとか(注・いずれも本明氏の腹心のアトモス社員)、ああいうのが倉庫の操作して」 (中略) 妹「閉鎖的にもうやんないと漏れちゃうんで。で、情報も絶対決まった人間しか見ない」 (中略) 妹「いろいろやり方があるんだって。あそこの中(注・ナイキから納入したスニーカーを置く倉庫)は抜け道があって、この分ははじいてくださいって言って、そうすると在庫が一気にピィって消えるわけ。そういう作業をずっとしてる人たちがいるわけよ、あそこの中で。だから、OとかHとか現金持って買いに行くわけよ、何店舗の売り上げって。で、その溜まったやつをチャーター便で誰々に渡すっていう仕事をしてるの。だから売り上げは店舗に入ってくるけど、店舗に靴なんか入ってないから、よくよく見ちゃえばバレちゃうんだけど」 会話のなかで本明氏の妹は、「お兄さんのホールドスニーカー」があることに言及。さらに、倉庫で横流しスニーカーの操作を行っている人間がおり、「売上は店舗に入ってくるけど、店舗に靴なんか入ってない」と明言している。