「婚活よりつらい経験」40歳女性が直面した“現実” 彼との結婚はイコール不妊治療の始まりだった
希望は、なるべく年齢の近い男性との結婚だった。子どもが生まれて大学を卒業するまでには、22年かかる。50代の男性と結婚をしたら、子どもがまだ小学生、中学生のときに父親が定年を迎えてしまう。 ところが、みきえと同世代で子どもを望んでいる男性は、1歳でも若い女性との結婚を望んでいた。女性も歳を重ねるほどに、出産をするときのリスクが高くなるので、男性側としてはそれを避けたいと思っているからだ。 20代なら同世代同士の結婚が可能なのだが、アラフォーになると、相手を求める年齢のベクトルが、男女ですれ違う。
■ひと回り上でも定年のない自営業なら “年の近い男性”にこだわっていたみきえだったが、あるとき、52歳のさだお(仮名)からの申し込みがかかり、それを受けることにした。ひと回り上だったが、自営業者だったので、定年がない。 しかも、年収が2000万円という高額所得者だった。 また、さだおの趣味が野球観戦で、ひいきのチームが同じだったことや、プロフィール写真が大好きな俳優に似ていたことも、気持ちを前に進ませた。
お見合いを終えたみきえが、交際希望を出してきた。 「思い切ってお会いしてよかったです。今までお見合いしてきた中で、一番話が合ったし、1時間があっという間に過ぎました」 仮交際に入り、何度かデートを重ねて2カ月が過ぎ、結婚を前提とした真剣交際に入ることになった。 そこからは「いつ成婚退会をしようか」「親へのあいさつはどうしようか」と、結婚に向けての具体的な話をするようにもなっていた。 ところが、結婚が現実味を帯びていくと、みきえの気持ちに迷いが出てきた。あるとき「相談があります」と、筆者のところに連絡が来た。
■子どもを絶対に授かる保証はない 「2人で近々、『ブライダルチェックに行こう』と言われました。私も、もうすぐ41歳になる。結婚前に自分の体を調べることは、大事なことだと思っています。ただ、さだおさんの、“子どもがほしい”という気持ちがあまりにも強すぎるので、それがだんだん重荷になってきました」 みきえ自身、年齢的にも子どもを授かるのは最後のチャンスかもしれないと思い、そのための婚活だった。 ただ、結婚が現実のものとなると、“本当に子どもは授かれるのか”という気持ちも出てくる。年齢的に自然妊娠を待つ時間の余裕は、みきえとさだおにはないから、不妊治療になるだろう。