FA菊池雄星の争奪戦勃発「市場で最も引っ張りだこの1人」ボラス代理人明言「長期の契約になる」
大手代理人事務所「ボラス・コーポレーション」のスコット・ボラス代理人が、テキサス州サンアントニオで行われているGM会議3日目の6日(日本時間7日)、会場ホテルで取材に応じ、アストロズからFAとなった菊池雄星投手(33)について、「市場で最も引っ張りだこの1人だ。彼はエース、または2番手のレベルに自分を押し上げた」と語り、22年からブルージェイズと結んだ3年総額3600万ドル(約42億5000万円=契約当時のレート)を超える契約を獲得する見通しを語った。 敏腕代理人が、前回FA以上の長期契約に自信をみせた。「健康体で90マイル中盤(150キロ台中盤)の球速がある。年齢的に5、6、7年の契約を獲得するのは難しいが…」と語った直後、自ら「いや6、7年だ」と訂正。「あの年齢層の選手としては、長期の契約になる」と明言した。菊池は30歳だった21年シーズン終了後に、渡米後最初のFAとなり、ブルージェイズと3年総額3600万ドルの契約を結んだが、ボラス代理人は「今は立ち位置が違う。彼のパフォーマンスのレベルは向上し、安定度も増した。それらの理由から、(前回より)長い契約になるだろう」。さらに、シーズン途中にトレードされ、クオリファイング・オファー(QO)の対象外となったことで、ドラフト指名権の補償を失うリスクもない。「それは、獲得球団に何億にも相当する価値がある」と熱弁を振るった。 米スポーツネット「ジ・アスレチック」は、菊池の予想契約を3年総額6300万ドル(約97億円)と報じているが、ボラス代理人の見立ては「4~5年」の契約期間となるようだ。 データ的にも、年齢による衰えは見当たらない。むしろ、年齢と逆行して、直球の平均球速は、22年が94・9マイル(約152・7キロ)、23年が95・1マイル(約153・0キロ)、今季はメジャー6年目で自己最速の95・5マイル(約153・7キロ)をマークした。3年連続で奪三振率が上がり、与四球率が減少。3年連続でシーズン32試合に登板。ローテーションを守り切る耐久力など、向上している。 交渉状況も水面下で順調に進んでいる。すでに、古巣のアストロズは、オファーを出し、「交渉の真っ只中にいる」と認めた上で、「かなりの数のチームからオファーがあった」。争奪戦参戦球団の数を問われると、「A Lot!(たくさんだ)」と答えた。 同代理人によると、菊池の意向は「勝てるチーム。本気のチーム。だが、彼は西海岸(シアトル)、トロント(カナダ)、南部(テキサス)でプレーした。彼は、全気候型で、日本のルネッサンス(大規模な文化復興)だ」と語った。 菊池はトレード期限の7月末に、ブルージェイズからアストロズにトレードされ、新天地で5勝1敗。菊池が投げた10試合でチームが9勝と、地区優勝に貢献。チームは、ワイルドカード(3試合制)でタイガースに連敗。第3戦先発予定だった菊池はプレーオフでの登板機会なく、シーズンを終えた。
報知新聞社