防御率67.50から見事なV字回復で15試合連続無失点!竜の松山晋也を支えた"ある言葉"とは?
メジャー経験者2人からの助言
プロ入り初めてとなるアウトひとつも取れずの降板。落胆した気持ちを奮い立たせるために、松山投手はその夜、オフに自主トレをともにしたオリックス・バファローズの平野佳寿投手へ電話をかけたという。 松山投手「やれる事をやっていく事が大事。1日1日を大切にやったうえで、悔いのないように野球をし、結果を出す。リリーフはそういう仕事」 積み上げていったものが結果に表れる。メジャーリーグという激戦の場でも結果を残した経験豊富なベテラン投手だからこその言葉。言葉を代えれば、打たれても次は結果を出すよう、しっかり準備する。経験の浅い松山投手へそう伝えたかったのだろう。 しかし翌日の開幕2戦目も悪夢は続いた。前日と同じ1点リードの8回、ホセ・オスナ内野手にタイムリーヒットを打たれ、即汚名返上とはならなかった。ゲーム後バスまで歩く間、大塚投手コーチから"ちょっと楽な場所で投げるか?"と言われ、すんなりと"そうですね"と答えた松山投手。大塚投手コーチはその返答を不満に思った。 松山なら松山らしくなれ!と。 大塚投手コーチ「ちょっと弱気やなぁと思ってね。彼は気持ちで投げるタイプ。開幕2戦でかなり落ち込んでいたし、とにかく自信を取り戻すために、自分の発する言葉から変えていこうと、良い言葉を出させるように働きかけました」 大塚投手コーチの助言も平野投手同様、いたってシンプルなものだった。失った自信を取り戻すため、"ある言葉"を言わせ続けた。 大塚投手コーチ「アイツは素直なので、(なんでも)絶好調と言っとけとね」 それからというもの、松山投手は誰からも調子を聞かれる度、迷わず"絶好調です!"と答え続けた。
ライデルを超えるクローザーになりたい
ポジティブな言葉を発することで、自分自身をだましていくメンタル作り。セットアッパーたる者、勝ちゲームであれば毎試合でも登板しなければならない。その状況下で気持ちが弱くては猛者ぞろいのプロ野球では対峙できない。平野投手同様、プロ野球の世界そして、メジャーリーグの場でもリリーバーとして実績を残した大塚コーチは松山投手にとってこれ以上ない心強いアドバイスとなった。 成績に一喜一憂しない。良い時も悪い時もあるが、気持ちは"どんな時でも絶好調!"という気持ちでマウンドへ上がる。一時67.50まで跳ね上がった防御率は3.24まで回復(5/19終了時点)。手放した勝ちパターンの座を取り戻した。絶好調の松山投手には8回のマウンドが良く似合う。 松山投手「マウンドでやり返さないと意味がない」 今では祖父江投手を超えるほどの眼光ビームを放ち、打者を圧倒する松山投手。以前から"絶好調"という言葉のほか、自分自身に発破をかける意味でも言い続けているのが、"クローザーになりたい。ライデルを超えたい"という大きな目標。この日のゲストコメンテーター、川上憲伸さんから実現するための貴重なアドバイスが松山投手へ授けられた。 川上氏「ストレートでも変化球でもコントロールが(ストライクゾーンの)枠から抜け過ぎることが多い。それが一球ぐらいなら問題ないですが、あまり続けないように」 川上さんの提言通り、ピッチングの質が向上した時、ライデルにまさかのアクシデントが生じても、松山投手がマウンド上で仁王立ちしていよう。もちろん、その時の合言葉は"絶好調!" がんばれ松山! がんばれドラゴンズ! 燃えよドラゴンズ! 竹内 茂喜
CBCテレビ