ダルビッシュを狙うカブスの地元メディアが福留孝介との獲得交渉背景を比較
シカゴ・カブスの球団幹部がFAのダルビッシュ有(31)と面談交渉したことが全米で大きく報じられている。そのダルビッシュは、続けてアストロズの幹部とも面談交渉を行ったことが、この日、複数のメディアによって伝えられ、その去就は大詰めを迎えている。 シカゴ・トリビューン紙は「カブスがダルビッシュ有獲得を秘密で進めている」との見出しで、カブスが最有力候補であることを伝えると同時に、カブスによる過去の日本人選手との大型契約として、10年前に4年間在籍した現阪神の福留孝介外野手(40)を例に出して比較した。 同記事は、「シカゴの幹部はまだ何もコメントをしておらず、ダルビッシュの今後の動向を予測するには早すぎるが、1つだけ確かなことがある。カブスのダルビッシュ獲得への動きは、10年前にあった福留孝介へ向けたものとは違うということだ」と言及。福留がカブスに入団した当時の状況をこう振り返った。 「福留の誇大評価に対して、カブスが油を注ぎ、その条件は当時の冬市場の枠から外れたものとなった。彼のプレーを見ることなく、カブスファンは福留が、地区優勝しながらダイヤモンドバックスにナ・リーグ地区シリーズで敗れた2007年のチームに欠けていたものを埋めてくれると考えていた」 当時のルー・ピネラ監督は、福留について「我々のスカウトは彼を気に入っている。彼らは、福留をイチローと松井秀喜を足して割った選手と話している」とコメントしていたという。 また福留獲得に至る背景には単純に戦力としての評価だけでなく付帯要素があったことを取り上げた。 「カブスが、福留と4年4800万ドル(約53億円)の契約を結んだ時、ビジネス部門では、日本企業との新しいビジネス機会を模索する話し合いもあった。球団は、日本総領事館にも連絡を取った」 当時のクレーン・ケニー球団社長は、「試合より重要なものはないので言いたくはないが、福留獲得は、シカゴという街にとっても重要なことだ」と語り、福留との国際的な契約が、当時、五輪招致を目指していたシカゴのイメージ面でのアピールにつながることも明らかにしていたという。