アルコール度数1%未満「微アル」、価値を知ってほしい メーカー5社、知名度アップへ連携
ヤッホーブルーイングなどが合同イベント
アルコール度数が1%未満の「微アル」飲料を手がけるヤッホーブルーイング(北佐久郡軽井沢町)とアサヒビール(東京)、サッポロビール(同)など5社が連携し、微アルの認知度向上に注力している。29日、東京都内で合同の発表会とイベントを開催。微アル飲料は酒が苦手な人や酔いを残したくない人の需要を満たしているが、知名度がいまひとつ。企業の枠を超えて協力しファンを拡大する狙いだ。 【写真】イベントで提供した5社の微アル飲料と料理
連携する企業は他にトリクミ(鳥取県八頭町)と木内酒造(茨城県那珂市)で、いずれもビールのような味わいの微アル飲料を製造する。木内酒造は約20年前から手がけるが、他の4社は近年微アル市場に参入し、商品開発などが活発化している。
アサヒビールの推計では、アルコール度数0~3・5%の飲料の国内販売容量は、2026年に19年比で1・3倍に伸びる見通し。ただ顕著に販売が伸びているノンアルコールビールに対し、微アルは認知度の低さが課題という。
そこで、ヤッホーブルーイングとアサヒビール、トリクミの3社は昨夏から連携を深め、今年1月に合同イベントを開催。ここにサッポロビールと木内酒造が加わり、5社の社長、担当部長らが集う今回の催し「ここちよい微アガーデン」につながった。29日から3日間、渋谷駅近くの複合施設「渋谷ストリーム」前の広場で商品の飲み比べと軽食のセットを900円で販売。「お酒に強くない人も楽しめるビアガーデンを」(ヤッホーブルーイングの井手直行社長)との思いを込めた。
国内のビール市場は全体として縮小しており、サッポロビールの永井敏文・ビール&RTD事業部長は「ノンアルコールや微アルは大事なカテゴリー」と強調。特に微アルは「アルコールが控えめながらもビールらしさを味わえる」とし、成長を期待する。アサヒビールの高橋徹也・スマドリマーケティング部長は、健康のために純アルコール摂取量を意識する消費者が増えていることに触れ、「微アルの価値をいかに浸透できるかが勝負」と話した。