横浜スタジアムに幻のブルーモンスター構想
横浜DeNAがホームランを防ぐためにレフトフェンスを高くするブルーモンスター構想を練っていたことが明らかになった。球場側と、横浜DeNAの交渉の過程で、現段階では、幻の構想となってしまったが、メジャーと違ってアンバランス型のスタジアムがない日本において、もし実現すれば画期的なプランだった。そもそも、ブルーモンスターという発想の生まれる、きっかけとなったのは、2014年を戦うためのチーム戦略からだった。 横浜DeNAが作った映画がすごいと話題に! ■10勝投手が2年間出ていない 「CSに行くには、どこをどう補うべきなのか、戦力はどこを伸ばすべきか。高田GMが中心になってチーム分析を行い、戦力補強を考えました。課題は投手力の補強です。この2年間に10勝投手は一人もいません。10勝投手を2人、さらに15勝投手が1人は必要でしょう。10勝投手が一人生まれれば全体の意識が変わってくるはずなんです。期待値と理論上の戦力であり、今後、キャンプとオープン戦で誤差が生まれてくるので、そこは難しいのですが……。また投手へのメンタルの影響も大きい。やはり、この狭い球場が、投手に関しては心理的に悪影響を与えています。球場の構造上、フェンスを下げることができないならば、思い切ってブルーモンスターを作ってみればと考えてみたことがあるんです」とは、横浜DeNAの池田純社長。 2013年シーズンは夏場までCS争いに参戦したが、チーム防御率4.50と投手陣が崩壊した。終わってみれば規定投球回数をクリアしたのは、三浦大輔と、三島一輝の2人だけで、勝ち頭のベテラン三浦も9勝13敗で10勝に届かなかった。チーム内に10勝投手が出てくれば有形無形の波及効果が生まれるはずだと今オフには2桁を勝てる可能性を秘めた2人の投手を補強した。FAで阪神から獲得した久保、とメジャー凱旋の高橋尚成である。 ■ホームランを打たれないスタジアム どうすれば投手力を強化できるのか?の議論を尽くす中で、なぜ打たれるのかの側面から、意外な発想も出てきた。そのひとつが“ホームランを打たれないスタジアムを作ってはどうか”というプランだ。ちなみに今季のチーム被本塁打は153本でセ・リーグでは、ダントツの最多。巨人に5勝13敗と、大きく負け越し、阪神に12勝11敗と勝ち越せたのは、両球団のチーム本塁打が、阪神がリーグ最下位の82本で、巨人がリーグトップの145本であったことと無縁ではない。そこをどうにかしたいと考えるのも理解できる。