横浜スタジアムに幻のブルーモンスター構想
■ホームラン量産を防ぐ目的だった”グリーンモンスター” メジャーではアンバランスのスタジアムデザインが、“売り”となってファンを楽しませている。中でも有名なのが、ボストンレッドソックスの本拠地、フェンウェイパークのレフトに高くそびえるグリーンモンスター。市街地に作られた球場だったため、設計上、左翼までの距離が、94・5メートルしかなく、安易に本塁打が増えること防ぐため、高さ11.3メートルのフェンスが作られた(強風を防ぐためだったという説もある)。2003年に改修されて観客席が設置されるまで、すぐ後ろは、道路で観客席がなかった。 横浜は、フェンスがブルーなので、まさに設置されれば、”ブルーモンスター”と呼ばれ、新しい横浜の名物となっただろう。フェンウェイパークでもグリーンモンスター超えのホームランは何も珍しくない。実際に、ホームラン数を減らすとなると、かなりの高さのフェンスを設置せねばならなかったが、それはそれで、何メートルにすればいいのかという議論も熱くなって楽しかったと思う。 久保と高橋という実績のある2人を補強したことでフェンスや球場の大きさが関係ないほど投手力が安定してくれば、ブルーモンスター構想なども吹き飛んでしまうのだろうが……。横浜DeNAが、チーム強化にどれだけ真剣に取り組んでいるかを示す、いい例だと思い、あえて幻のプランを原稿にした。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)