名古屋都心は栄?名駅? 市民千人アンケートその結果は
名古屋の都心は栄?名駅? 市民1000人アンケの答えは
このような歴史をたどる栄と名駅であるが、そのパワーバランスは時代によって変化している。歴史は栄のほうが古く、栄にすでに町並みが形成されていた頃、名駅はまだ広大な湿地であり、“駅を作るための郊外”という存在であった。ところが東海道新幹線の開通、高層ビルの建設ラッシュなどにより、人の流れが変わり、近年、栄と名駅はほぼ対等のパワーバランスとなった。 話をアンケートに戻そう。DGコミュニケーションズの名古屋支社では、2011年から名古屋市民約1000人を対象に、住みたい街に関するアンケートを実施。第5回となる今回、初めて「あなたにとって“名古屋の都心”をひとつ選ぶとしたらどこですか?」の問いを加えたところ、「名古屋駅周辺」が49.1%、「栄駅周辺」が46.7%と、名駅が栄をわずかに上回る結果となった。 地元にとってこの結果は関心が高かったようで、地元紙のの社会面でも「都心 栄より名駅」という見出しが躍るなどした。アンケートによると、名駅は周辺の将来変化に期待がもてるところが魅力であり、栄は文化施設や美術館があり、都心でも緑や公園・水辺環境があるところにひかれているようだ。年齢層によっても結果は異なっており、20~24歳は名駅が都心だと思う人が60%、栄だと思う人が40%と全体平均より“名駅派”が強く出ており、一方の60歳以上は、名駅41%、栄59%と数字が大きく逆転している。 DGコミュニケーションズ名古屋支社の佐藤寛文氏はこの結果について、「“名駅を都心”と思う人の割合が栄を上回ったのは、東京や大阪など他の大都市の主要駅で駅前開発が続く中にあって、『名駅』をこれらと肩を並べる“名古屋の都心”として位置づけたい大きな期待感の表れだと言えます。名駅周辺で現在建築中のビル群が今年後半からに順次完成して、名駅の都心としての骨格が整備されれば、名駅を“名古屋の都心”と思う割合は今後さらに高まっていくと思います。ただし栄も古くから名古屋の人によって守られてきた安心できる都心として素敵な魅力を持っています。名古屋の人は、それぞれの世代で名駅と栄、この二つの都心をバランスよく上手に使い分けていくのではないでしょうか。」と語る。 名古屋にとって永遠のテーマともいえる栄vs名駅の都心バトル。これからも競いあって、街がさらににぎわうことを期待したい。 (編集プロダクション エディマート)