【対談】ヤマザキマリ×中園ミホが語り尽くす“人生になくてはならない映画”とは?【前編】
漫画家・文筆家として活躍するヤマザキマリさんと、脚本家の中園ミホさん。書くことを生業とし、シングルマザーで息子を育てるという共通点を持つ、映画好きのおふたり。人生の支えとなった作品について語りつくします。 【画像一覧を見る】
PROFILE
ヤマザキマリ/やまざきまり 漫画家・文筆家・画家。東京造形大学客員教授。2010年『テルマエ・ロマエ』で第3回マンガ大賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。2015年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2017年イタリア共和国星勲章コメンダトーレ綬章。 中園ミホ/なかぞのみほ 1959年生まれ。脚本家。執筆作は『やまとなでしこ』『Doctor-X~外科医・大門未知子~』など多数。2025年放送のNHK連続テレビ小説『あんぱん』の脚本を担当。クウネル・サロンの『福寿縁うらない』も好評。新著に『強運習慣100』。
2人の心を満たしてくれた名画たち
10歳で母と観た、大人の世界にドキドキ 『男と女』(1966) 共に過去の失恋を背負う二人が、新しい愛を求める切なくて美しいラブストーリー。第19回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し、当時無名だったクロード・ルルーシュの出世作となった。「映画の舞台となったフランス・トーヴィルに、旅をしたこともありました」 イタリア留学中の18歳の私が重なって 『真夜中のカーボーイ』(1969) 富を追うためにニューヨークへやってきたテキサス出身のジョー(ジョン・ボイト)が、偶然出会ったラッツォ(ダスティン・ホフマン)。不遇な人生を送ってきた2人の若者が大都会で孤独を癒し合う。アカデミー賞三冠受賞作。「詩人の薦めで、最初はテレビで、さらにビデオレンタルもして観ていましたね」 ガチの愛情と覚醒の物語 『蜘蛛女のキス』(1985) 南米の刑務所。政治犯ヴァレンティンと同性愛者モリーナが同じ房で過ごすことになる。当初モリーナを毛嫌いしたヴァレンティンだったが、映画の話題を中心に互いに心を通わせていき……。「もともとマヌエル・プイグの原作を読んでいました。監督はブラジル人のヘクトール・バベンコ。サンパウロで撮影されていてすごくいい感じに!」 〈HDニューマスター・スペシャルエディション〉Blu-ray:¥5,280 発売元:是空/ポニーキャニオン 販売元:ポニーキャニオン KISS OF THE SPIDER WOMAN ©INDEPENDENT CINEMA RESTORATION ARCHIVE LLC 2000. All Rights Reserved. 赤ん坊のような勝新がかわいい 『兵隊やくざ』(1965) 舞台は第二次世界大戦中、関東軍に入隊した元やくざの大宮貴三郎(勝新太郎)。破天荒な性格が問題を生むも、指導係の有田上等兵(田村高廣)が支えとなり絆を深める。シリーズ全9作の1作目。「ばんつま(阪東妻三郎)の作品を追っていたら息子の田村さんにたどり着いて。監督の増村保造はフェリーニの助監督!」 『兵隊やくざ DVD-BOX 新価格版』 2万350円 発売・販売元:KADOKAWA