マクラーレン750Sはオトナの夢も希望も欲望も、すべて叶える理想的なスーパーカー
基本的な設計は、720Sから引き継いでいるものの、パワーを30馬力アップし(720馬力から750馬力へ)、一方で重量は30kg軽量化。さらにボディには前後形状を中心に手を入れ、サーキットなどでの走行性能を(コーナリングも直線スピードも)上げています。
クーペとスパイダー、同時発売で選択の自由度がアップ
The Magarigawa Clubのコースは、抜きつ抜かれつのレース向きではありません。自分のスポーツカーでタイムアタックをして、周回時間を縮めることに楽しみを見出すのが向いています。 コーナーはほとんどバンク(傾き)がついていて、回っていく時は横Gでなく、縦方向のGだけが出るような設計です。そのため、そんなにサーキットに走り慣れていない人でも、けっこう安心感をもって走れます。 一方で、750Sではどんなふうに横Gが出て、それにどう対処していくかという走り方はできませんでしたが、それでも鋭い加速力と、クルマと自分が一体化したハンドリングと、そしてこれはうれしい発見でしたが、従来よりずっと路面のインフォメーションがわかるステアリングを持っていました。 ひと言でいって、たいへんよく出来たスポーツカー。スタイリングもすてきだし。で、興味あるひとにとって、クーペとスパイダーという選択を楽しめるわけです。
タイトな車内から四季折々の景色を眺める贅沢
クーペにはスイッチで透明度が変えられる「エレクトロクロミック」ガラスルーフが装備されているので、密室感が意外と希薄です。あの子とともに、春なら桜、夏なら青空、秋なら紅葉、冬なら雪の積もった樹木といった、沿道の景色を楽しめるのです。 スパイダーでは、言うまでもなくですが、より開放感があります。電動格納式ルーフは、あっというまの開閉が可能だし、こちらにもエレクトロクロミックルーフが備わります。クローズド感とオープン感が、ルーフを開けていても閉めていても、たっぷり味わえるのですね。
750Sでは、Apple CarPlayにも対応するようになり、娯楽の面でもドライブを楽しくしてくれるインフォテイメントシステムが充実。前ヒンジでドアが上にはねあがるディヘヒドラルドアはカッコだけでなく、乗降性をよくしてくれているので、彼女を誘って、春の遠出と洒落こむのはどうでしょうか。
■ McLaren 750S(カッコ内はSpider)
全長×全幅×全高 4569×1930×1196mm ホイールベース 2670mm 車重 1277kg(1326kg) 3994ccV型8気筒 後輪駆動 最高出力 552kW@7500rpm 最大トルク 800Nm@5500rpm 価格 3930万円(4300万円)
文/小川フミオ 写真/マクラーレンオートモーティブアジア 編集/Web LEON編集部