不登校の小中学生、過去最多の34.6万人 文科省調べ
文部科学省は、児童生徒の問題行動や不登校などの実態を調査した「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」を2024年10月31日に公開した。 【画像】不登校児童生徒数の推移(1,000人当たり不登校児童生徒数) 同調査によると、病気や経済的理由を除き、心理・社会的な要因などで小中学校に年30日以上登校しない不登校児童生徒数は、過去最多の34万6482人となり、前年度から47,434人(15.9%)増加。増加は11年連続となっており、初めて30万人を超えた(前年度は29万9048人)。 ただし、増加率については、2022年度が22.1%で、2023年度は15.9%となったことから、前年度と比較すると若干低くなっている。 小中学校の不登校児童生徒数を1000人あたりで見ると、計37.2人という結果となった(前年度は31.7人)。 2021年から2023年における不登校児童生徒数を学年別で見ると、全学年で前年度と比べて増加していることがわかる。 文科省は、不登校児童生徒の増加の要因として、児童生徒に休養の必要性を示した「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」の浸透による保護者の意識変化、コロナ禍の影響による生活リズムの乱れや学校活動・登校意欲の減少、特別な配慮が必要な子供への指導・支援の不足などを挙げている。 同省が不登校児童生徒から教員に相談があった内容を調査したところ、「学校生活に対してやる気が出ない」(32.2%)が最も多く、「不安・抑うつ」(23.1%)、「生活リズムの不調」(23%)と続く結果となった(複数回答)。 なお、高等学校における不登校生徒数は68,770人(前年度60,575人)で、前年度から8,195人(13.5%)増加して過去最多となったが、前年度と比較すると増加率は若干低くなった(2022年度が18.8%で2023年度は13.5%)。また、在籍生徒に占める不登校生徒の割合は2.4%(前年度2%)となっている。 同省は、2023年3月に「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」を打ち出し、居場所づくりや相談できる環境を整えている。前年度比で不登校の増加率が減ったことから、一定の効果が出ていると見るが、「校内教育支援センター支援員」や「校内教育支援センター」の充実を図り、民間団体や福祉機関などとの連携をより強化するとしている。
こどもとIT,編集部