「つばさの党」の”選挙妨害”立件へ…「表現の自由」の主張はどこまで認められるか?【弁護士解説】
選挙妨害に対する抑止力を高めるための「有効なペナルティ」とは
――今回、選挙期間後に捜索が行われていますが、あくまでも事後的なものになっています。先ほどおっしゃった選挙期間中に警察が逮捕に踏み切るための方法以外に、選挙妨害に対する抑止力を高めるための有効なペナルティはありますでしょうか?たとえば、公民権停止のようなものはどうでしょうか? 三葛敦志弁護士: 「公民権の停止というのは、参政権、つまり主権者として民主政に関わる権利を一定期間にわたって奪うものであり、きわめて重い人権制約になるので、設けるとしても厳格な要件の下で認めるようにすべきと考えています。 他方で、本件のような場合、妨害行為がエスカレートする理由として、妨害行為を撮影した動画をSNSに投稿することにより収益を得られることが考えられます。そこで、より実効性が高い方法として、犯罪行為と認められたときに、その収益を必要的に没収することを提案します。 自陣営による選挙妨害行為を利用して収益を得るような行為は、これによって抑止できます。収益がなければ、こうした行為は長続きが難しくなります。 また、いわゆる『インプレゾンビ』、つまり選挙の結果よりも動画のアクセス数を稼ぐような迷惑系動画アカウント等の対策としても効果を発揮しえます。 他方で、共謀を広く認定することや、政党や政治団体の解散命令についての定めを置くことなどは、権力側がこれを濫用しかねないので、きわめて慎重に考えるべきです」
弁護士JP編集部