【プレミア12】侍ジャパン28試合ぶり黒星 台湾に完封負け、大会2連覇と世界大会4連覇逃す
<ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12:侍ジャパン-台湾>◇24日◇東京ドーム 侍ジャパンが台湾代表に完封負けを喫し「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」で2大会連続優勝を逃した。国際試合連勝は27でストップ。世界大会の決勝で負けるのは初めてで、今大会台湾と3度目の対戦にして敗れた。前夜、消化試合になった“前哨戦”では、台湾が予告先発を変更する不可解な温存策を断行。スライド登板したエース林■(■は日の下に立)■(■は王ヘンに民)投手(21=ダイヤモンドバックス傘下3A)に4回まで無失点に抑えられた。日本は前回大会19年11月12日米国戦以来国際試合28試合ぶりの黒星。26年WBCで井端弘和監督(49)のもと、世界一復権を図る。 ◇ ◇ ◇ 悲鳴と歓声が交錯しながら敗色ムードがまん延していった。侍ジャパンが台湾代表に4安打完封負け。今大会3度目の対戦で、2勝していた相手にいいところなく敗れた。前日までの8戦全勝から急ブレーキ。就任後、初黒星の井端監督は終始、険しい表情で試合を見届け「最後のところで勝たせられなかったのは私の責任。勝てなかったことは各選手胸に刻んでこれからも頑張ってほしい」と悔しさを押し殺し唇をかんだ。 消化試合から一転、決勝“前哨戦”に形を変えた前夜の一戦で、台湾の不可解な予告先発変更から戦いは始まっていた。温存策でスライド登板したエース林に苦しめられ、4回まで内野安打1本で無得点。150キロ前後の直球とチェンジアップにバットの芯を外され、全勝した8試合のうち6試合で2桁安打だった日本打線が沈黙。代打も代走も出せず、糸口すら見つけられなかった。予告先発変更に対する台湾への罰金は1999ドル(約31万円)と、わずかな代償と引き換えに大金星を譲った。 試合前、台湾メディアの1人が言った。「練習中、キャプテンの陳傑憲が小園選手にバットをもらっていた。チームも勝てるなんて思ってないと思う」。台湾側の下馬評も低かった。しかし06年WBCで日本は韓国と3度対戦。予選ラウンドで2敗しながらも、準決勝で勝って初優勝まで駆け抜けた。8勝1敗の日本が準優勝で、6勝3敗の台湾が優勝。互いにプロの戦いに「絶対」はないことを、今度は見せつけられた。 誤算は5回。4回まで無失点投球の先発戸郷が急転した。先制ソロと3ランを被弾。井端監督は「打たれたのは全て私の責任で。戸郷でいけると判断した私の責任」と繰り返した。メンバー選考の過程でヤクルト村上、ソフトバンク近藤を招集できず、発表後には巨人岡本和、吉川が辞退。いずれも理由は負傷のため「国内最強メンバー」で臨むことはできず、勝負どころで快音が響かなかった。 世界大会4連覇を逃し、26年3月のWBCで仕切り直しとなる。来年3月にはオランダと強化試合を予定。再び世界一に立つために、再スタートを切るしかない。【栗田成芳】 ◆プレミア12 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主催し、15年に新設された国際大会。WBSC世界ランク上位12チームが出場。4年に1度開催され、今大会で3回目(今大会は1年延期して開催)。15年は韓国が優勝、日本は3位。19年は日本が優勝した。27年開催予定の次回は、出場16チームに拡大する。