「水菜」アレルギーのライターが「大人の食物アレルギー」専門医に原因を直撃
「まだ、花粉症症状が抜けない」 「お花見日和だけど、花粉症で死んでいる」 「鼻水と涙目……、顔がボロボロです」 【画像】食べたことだけではなく、意外なことが「大人の食物アレルギー」の原因に? SNSでは花粉症の辛さを訴える人が少なくない。 スギ花粉の飛散は東北地方を除いては低下中だが、代わりにヒノキ(4月中旬まで)、ハンノキ(6月頃)、シラカンバ(5月上旬)などの花粉飛散も続くという。さらに、黄砂も飛来し、ダブルパンチの不快感だ。 しかし、こういったアレルギー症状の原因は、スギやヒノキといった知られている花粉ばかりとは限らない。思わぬ植物の花粉などに反応してしまうこともある。アレルギーはまだまだ解明仕切れない未知な部分も大きく、意外な物質がアレルギー物質になってしまうこともある。 中でも最近、話題になっているのが「大人の食物アレルギー」だ。 消化器管が十分に発達していない幼児期に食物アレルギーが起こりやすいことは、比較的よくあることだが、本人もその自覚がないままに原因不明の体調不良に見舞われ、実はその原因が食べ物だったというのが“大人の食物アレルギー”だ。発症のメカニズムは子ども以上に複雑だという。 成人後に、予想もしなかった「水菜アレルギー」を発症したライターが、食物アレルギーの専門医である中村橋いとう内科クリニック院長の伊藤潤医師に大人の食物アレルギーについて話を聞いた。
成人後、まさかの「水菜」アレルギーに
レストランでメインに添えられたサラダを割りばしでせっせと仕分けている不審な女を見かけたら、それは私かもしれない。野菜をチマチマとつまみ、その一部はお皿の隅に取り除ける。無作法なのは百も承知。でも、ミックスサラダに近年必ずと言っていいほど紛れ込んでいる「水菜」は、私の天敵だ。事前に水菜を避けて欲しいとお願いできるお店ばかりではないし、サラダに無記載で入っていることが多いこともあるため、どうか許していただきたい。 食物アレルギーがある人は珍しくないが、「水菜アレルギー」というと10人中10人が「えっ⁉」と驚き、直後にビミョーな表情になる。「水菜がアレルゲンになるの?」と疑念を持たれるのは仕方がない。検査結果を聞いて、私自身も驚いた。 水菜がミックスサラダの常連になったのは、たぶん1996年ごろにカイワレ大根入りサラダのO-157食中毒騒ぎが起こった後だと思う。最終的にカイワレ大根が食中毒の原因とは特定できないと結論付けられたものの、その騒ぎで代わりに、ミックスサラダのレギュラーに昇格したのが水菜、という流れだろうか。 そのあたりから、外食すると時々、口の中に小さなプツプツができたり(食後しばらくすると消える)、喉がかゆくなったり、声がかすれることが増えた。症状が出た直前に食べたものを考えると、どうやらサラダに原因があるらしいと思い至り、かかりつけのアレルギー科で検査すると「水菜」がその原因だと判明した。