被害約70億円か 特殊詐欺グループ29人を逮捕 宮城県警
「高額当選金を受け取れる」などのうそのメッセージを送り、手数料の名目で電子マネーや現金をだまし取ったとして、宮城県警は仙台市青葉区、無職大橋和之容疑者(35)、アルバイト須川義巳容疑者(40)、無職木村健太容疑者(32)ら29人を組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑いで逮捕し、6日発表した。 県警は大橋容疑者らは特殊詐欺グループで、押収した帳簿などから2020年以降、3700人以上から総額約70億円をだまし取ったとみている。一方、29人のうち、運営サイトの画像を作ったとされる1人は、仙台地検がすでに不起訴処分とした。 県警によると、大橋容疑者らは5~6月、SNSで「77億円を11名にプレゼントするキャンペーンに当選した」とのメッセージを、当選金受け取り用とするサイトのURL付きで発信。申し込んだ40~70代の女性3人から手続き費用として、アップルギフトカードの暗証コードを98回にわたって送らせ、電子マネー利用権約700万円をだまし取った疑いなどがある。 さらに、容疑者らが運営する出会い系サイトに申し込んだ島根県の40代女性には、4月~6月に「手続き費用を支払えば、連絡先を交換できる」とのメッセージを送り、現金約131万円をだまし取った疑いもある。 このグループは大橋容疑者がトップ、須川、木村の両容疑者が幹部を務め、仙台市青葉区のマンションやビルの一室を拠点としていた。「メールオペレーター募集」として無料求人誌に求人を載せ、応募した人にSNSでメッセージを送る「打ち子」をさせていたという。(岸めぐみ)
朝日新聞社