【資産総額8,000万円】40代長女は蚊帳の外…「お義母さんと同居する」「それいいね!」夫・妹が主導する「嫌いな母との同居話」に戦慄
やっと自由になったのに、また苦労のタネを背負い込むなんて…
2回目の打ち合わせの日、筆者が提携先の税理士とともに井上さんご夫婦を待っていると、約束した時間に奥さんだけ現れました。 「ご夫婦で話し合って、いかがでしたか?」 「実は…」 奥さんに話を聞いたところ、実は姉妹とも母親との折り合いがよくなく「正直、好きではない」と本音を口にしました。妹さんは妹さんで、姉である井上さんが母親の面倒を見てくれるなら喜んで相続放棄する、とまでいっているそうなのです。 「そもそも折り合いが悪いから、姉妹2人とも早くに結婚して家を出たわけで…。いまさら同居したところで、とてもうまくいくとは思えません。主人にその話をしても〈お互い丸くなったじゃないか〉〈家族なんだから、大丈夫だよ〉〈節税も親孝行もできるよ〉と、話をまったく聞いてくれません…」 奥さんは、やっと子どもの手が離れて自由になったのに、また苦労のタネを背負い込むのはまっぴらだといいます。 「それとは別に、心配に思っていることがあるのです」 心配そうな様子の奥さんに、筆者は話を促しました。 「最近、母の様子がおかしいのです。認知症の兆しがあるのかなと…」
「母は施設に入れたい」「お姉ちゃんの考えどおりで」
奥さんは、同居するより介護施設へ入ってもらったほうが安心だと考えています。 「妹は、とにかく母とかかわりたくないみたいで、すべてを私に丸投げする気満々です。主人は面倒見がよくていい人なのですが、楽観視しすぎるところがありまして…」 筆者に事情を説明した奥さんはため息をつきました。 「前回の打ち合わせのあと、妹と電話しまして〈なにかあったらすぐ施設に入れたい〉と話をしました。妹も〈お姉ちゃんの考える通りでいい〉といってくれたので、主人のプランは絶対なしで、どうにか決着したいのです」 筆者は数日後、改めて打ち合わせを設定し、井上さんご夫婦に来ていただきました。 ご主人は当初と同じ気楽な様子で、「家族一緒なら…」と繰り返していましたが、筆者は奥さんに伺った話を踏まえ、奥さんからのいろいろな説明を補うかたちで、同居が必ずしも幸せな結果にならないこと、同居以外にも節税の選択肢があることなどを説明しました。 話し合いの結果、まずは介護施設への入居を視野に、動くことになりました。