助け合いのつながり広げよう 能登の被災地支援団体が講演 奄美市名瀬
能登半島地震の被災地支援団体「TEAM JAPAN」の講演会が13日、奄美市名瀬のアマホームPLAZAであった。同団体のかごしマンさん(48)とやわらさん(43)が登壇し、被災状況や支援活動などを紹介。地域を知ることや人と人のつながりの重要性を強調し、「今、自分ができることを考えることが(防災の)未来をつくる」「助け合いのためには、自分の感覚を信じて動く人が増えることが大切」などと呼び掛けた。
同団体は地震発生翌日の1月2日に複数のNPO法人で結成。能登半島にある羽咋市(はくいし)のやわらさんの実家ビルを拠点に物資配送、炊き出し、リラクゼーション、被災家屋の清掃、ボランティア受け入れなどを行う。参加ボランティア数はこれまで延べ約2700人。 講演で2人は、地域の9割以上の人が被災し、基本とされる3日分の食料備蓄では足りずお菓子1個で1日を過ごしていたことや、指定避難所の他にビニールハウスなどを含め、多くの自主避難所ができたことなどを紹介。支援活動では、子どもたちも参加し被災者の精神的な支援や、子どもの自立的な行動にもつながっていることも伝えた。 市防災危機管理室と大島地区消防組合の職員との意見交換もあり、染川善主査(43)と重田大介消防司令補(48)が参加。 前職時代に輪島市に居住経験のある染川さんは、海と山の間に町がある輪島と奄美の地理が似ていることを紹介。重田さんは自身も被災した2010年の奄美豪雨災害時に、ひっきりなしに出動指令があったことや、家族全員が顔を合わせたのが発生から5日後くらいだったことなどを話した。最後は聴講者も加わった座談会もあった。 聴講した奄美市名瀬の40代女性は「ボランティアの活動内容を知れてよかった。(市や消防など含め)それぞれの役割があり、うまく回ることが重要だと気付いた」と話した。 講演会は全国各地で開いており78回目。同日は奄美市名瀬の金久中学校で、12日は喜界町でも実施。能登でのボランティア活動に参加した喜界町の藤原実子さん(56)の呼び掛けで実現した。奄美市では清水早苗さん(55)が協力・主催し市も共催した。