五輪エンブレム撤回 会見(2)コンペは「佐野さんありき」ではない
新しいロゴの選考でまた同じことが起きるのでは?
司会:じゃあ一番、向かって右側の列の一番前の女性の方。そうです、今手を上げられていらっしゃる方。 日本テレビ:日本テレビ『スッキリ!!』のニシムラと申します。よろしくお願いいたします。武藤さんにおうかがいします。先ほどの説明で永井審査委員長が、デザイン業界としてはまったく違うものだと認識をしていると。専門家の間では分かり合えるが一般は分かりづらいですね、というふうにおっしゃったということですが、それを言うのであればベルギーと似てますねっていう段階でも同じ状態だったと思うんですね。専門家が見れば、もともとの作りもそうだし、結果も違うものであると。ただ、一般の方からするととても似てるよねっていう意見が多かった。今回のポスターもそうだと思います。経緯もそうだと思いますっていう中で、今後また新しいロゴを作っていくときに、似たようなことが起きる可能性はあると思うんですね。シンプルであればあるほど、文字をアレンジすればするほど、同じようなことっていうのは起きると思うんですが、二度目以降の審査に対して、今の時点で何か改善ですとか、どういうところを気を付けていきたいみたいなことっていうのは、思っていらっしゃるところありますでしょうか。 武藤:リエージュのロゴとわれわれ組織委員会のロゴが同じだとは、われわれでさえも思っておりません。これは明らかに違う。色もまったく違います。それから、確かに似てるところを探せば似てるということなんですけども、違うところを探せば、似てるところ以上に違うところがたくさんある。それは一般の人から見てもそうだろうというふうに思います。 従ってわれわれは、裁判でございますので、裁判の結果を予測するのは控えたいと思いますが、IOCとわれわれとでいろいろ意見交換する中で、これは十分にわれわれのほうに利があるだろうという確信を持ってた。だからこそ、いろいろご意見がありました、しかしそれはあらゆることにそういうことがありますので、われわれはこれを使い続けることが適切であるというふうに判断をいたしました。 日曜日に出てきたあのものは、私はデザイナーの専門家から違うというお話を聞いて、まあそんなものかなというふうには思いましたが、一般国民がなかなかこれは納得しないのではないかという強い懸念を持ちました。ですからそこはかなり違うことなんですね。そういう意味ではこの両者を同じように扱うのはちょっと、われわれはそのように考えておりません。 今後どうするのかということについては、これは非常に大きな問題だと思います。特に、シンプルなもので力強いものといったものはだいたい道具立てが似ているので、これは永井さんもおっしゃるんですけども、それはもう似たものがたくさんあるんですと。だけれどもコンセプトがどうだろうかということが大事なんですと。そのコンセプトは、先ほど言ったように、単なるドット、ドットですね、あれは、J、ドット、T、ドットとなってるんです。ヤン・チヒョルトさん、J、ドット、T、ドットですからもう、2つあって離れてるわけですが、佐野さんのは9分割した中にある赤い情熱、ハートを強調したもので、これはコンセプトが違うんだということでした。私もその辺りになると、専門家の意見を尊重するということでございます。 従って、今後のときにもこの考え方はやはりきちっと持っていないといかんと思います。しかし、より広い、いろんな意見を聞くことによって、少しでもそういうリスクを減らすといったような努力が必要なのではないか。私が先ほど、今後新たにエンブレムをつくるに当たり、オープンなやり方で、手続きでやりたいということを申し上げましたけども、その趣旨は、できるだけ多くの人のご意見を聞くことによって、今のような懸念をなんとか払拭できないかということであります。 司会:それでは後ろで立っていらっしゃる方、黒いシャツの方。今、手上げていらっしゃる方です。 テレビ朝日:テレビ朝日『モーニングバード』のナカタニと申します。先ほどお話しいただいたことの関連なんですけれども、そもそも後から出てきた28日の原案、この原案に修正が加えられていたことは。。 武藤:ちょっと今、マイクが入らなかったんですけど。 司会:もう一度繰り返していただけますか。 武藤:もう一度言っていただけますか。 テレビ朝日:申し訳ございません。テレビ朝日『モーニングバード』のナカタニと申します。先ほどお話しいただきました話の関連性で確認のため伺いますが、28日に後からでてきた原案が、そもそもスタート時点で修正を加えられていくことになった、この理由についてなんですが、何と比較してどんな問題があってその原案は修正を加えられていくことになったのか、ということを確認させてください。 武藤:これは、原案が決まった段階でIOCに相談して、IOCから世界中の商標登録のチェックを行ったと申し上げました。その中に複数、この、まあTが基本ですから、Tが基本ですので、こういうアルファベットをエンブレムの中に据えますと、ABCD、あらゆるところによく似たものが出てくるわけなんですね。その中で複数のエンブレムが似ているというふうに思われるので、安全のためにこれは修正をしたほうがいいだろうというのがIOCのアドバイスでありました。そういうことでございます。 司会:その左側に立っていらっしゃる方。すぐ後ろの方。眼鏡の方です。 男性:同じです。 <(3)に続く>