五輪エンブレム撤回 会見(2)コンペは「佐野さんありき」ではない
損害賠償では誰が責任を取ることになるのか?
司会:はい、それでは2列目の方。 時事通信:時事通信カマモトと言います。もう一度の確認になってしまうかもしれませんが、原案の盗用についても佐野さんの理解、説明を理解して、全ての段階で盗用・模倣はなかったという判断でいいんでしょうかというのが1点。その場合、今回いろいろとロゴを使ったパンフレットですとかキャンペーンをやっているというところで、それを廃棄しなければいけないというような損害が出てくることも考えられますが、その損害賠償権というのは誰が責任を取ることになるのか。あと、土曜日、日曜日に大きな局面を迎えたというご説明でしたけれども、それではそもそもの、実際外に原案のロゴが公開されて初めて指摘あったんでしょうけれども、内部ではそもそもこれが原案の最初の段階から、盗用ないのか、よそからそういうふうに取ってきたもの、類似のものではないのか。どういうふうな経緯、検証がされてきたのか、その責任についてもお伺いします。 武藤:まず最初の問題につきましては、繰り返しになりますけども、われわれはこのようなデザインの専門知識を持っているわけではありませんので、永井委員長をはじめ審査委員会のメンバーの皆さん、この方々の判定を仰いだということでありまして、この方々が盗用だから取り下げろということではなくて、われわれが申し上げたような理由で取り下げることに理解を示すということであります。中の1名は、それでも盗用ではないんだから取り下げる必要なしというご主張もありましたけども、そういうことでございます。 それから、どこかで損害が起こったらどういうふうにするのかということでありますけれども、これは私ども、どこにどういう問題があるかということをまだ十分把握しておりませんけれども、そういう可能性のある関係者には状況を縷々ご説明申し上げて、できるだけ話し合いで解決していきたいというふうに思っておりますけれども、今のところではそういうお答えにならざるを得ないということであります。 それから、原案の類似性というお話がありましたが、その類似性の問題は、商標登録というものの、先に行われたものがあればあとから登録できないということから検索にかけるわけなんですね。これは、オリンピックのこういう問題の常として、IOCはそういうやり方を取っておって、毎回いろいろそういう検索をし、またいろいろな問題も現実には起こっておるということであります。登録されてないエンブレム、ロゴがどっかにあって、そこに著作権があるという問題は、確かにご指摘のとおり、最大限われわれも努力いたしましたが、日本ばかりか世界中、とても数限りないこのような問題に全て答えることは、事前にチェックすることはもはや不可能と。そのぐらいこういうものがたくさんあるということであります。このネットの発達した社会においては、昔であればそういうものに対しては直ちに分かるということはめったになかったんでしょうけれども、こんにちではそれがいろんな形で分かるということでありますので、しかし、ここはわれわれにとっては100%確実ということはもうあり得ない問題であります。出てきたらそれに対して適切に対処していくというふうに考えるのが現実的な対応じゃなかろうかというふうに思います。 司会:あらためてお願いいたします。原則。はい、はい、どうぞ。 槙:画像検索をかけたら簡単ではないかっていう質問をよく受けるのですが、そもそもIOCのプロセスに沿ってやるんですけれども、商標を申請する前の未発表のマークを画像検索にかけるということはちょっと危険なのでいたしません。従って、商標確認は特許庁との申請を、弁理士さん事務所を使って1個1個調べていくということを繰り返すしかないわけですね。 発表されたあとは皆さん画像検索等でいろんなことをご意見おっしゃるので、そこはプロセスが簡単なので、なんで画像検索かけないのかという質問を受けるんですけれども、ちょっと技術的な専門的なことは私、詳細までは詳しくないのですが、登録してないものをネットで検索するということはちょっと普通、やらないと思います。そこがこの問題の難しさでございます。 武藤:今の説明もそのとおりなんですけども、結局、このエンブレムというのは商標登録する前に一般の目に触れますと、誰かがそれを先に商標登録にかけるというリスクっていうものを持ってるわけですね。ですから、そういうその制約の下でいろいろ調べるということで、話が非常に難しいということであります。 司会:たくさんの方が手を上げていらっしゃいますので、あらためてお願いいたしますけれども、1回に原則1問ということでよろしくお願いいたします。それでは真ん中の、こちら側の方。こっちの方、真ん中の列です。はい。手を上げてください、そのまま。 共同通信:共同通信のキクウラと申します。所有者、IOCになると思うんですが、IOCへの報告などは現時点でどのようになっておりますでしょうか。 武藤:IOCとはもちろん連絡を取っております。特に法務関係のところとは、私どもの法務と非常に密接に連絡を取っております。それからIOCの事務方のトップ、さらにはバッハ会長でありますとかコーツ委員長に対しましても、これは書面で理解を求めるように手続きを取りました。今の現状においては、この日本の状況を理解して、東京組織委員会の対応をサポートしてくれるということであります。