五輪エンブレム撤回 会見(2)コンペは「佐野さんありき」ではない
エンブレム使用中止の最大の決め手は?
司会:はい、じゃあ真ん中の列の一番前の方。 テレビ朝日:テレビ朝日のタケウチと申します。お願いいたします。2か月以上もかけて佐野さんに修正をさせて今回の案ができたと先日おっしゃっていたと思うんですが、そもそも今回のコンペというのは、グッズ展開も含めて佐野さんありきではなかったのかという見方をする人もいらっしゃるようなんですが、それに関してはいかがでしょうか。 武藤:佐野さんありきであったということはまったくないと思います。確かに、1等に当選したエンブレムが、似たものが出てきたからどうするかというときには、ご指摘のとおり2つの対応があろうかと思います。1つはその段階でもはやそのエンブレムを外して2位の、2番目も決めましたので、2位のエンブレムについて手続きを進めるというのが1つです。 それからもう1つは、応募要領に修正あるべしということが書かれております。これは、こういうときにはよくある話なんだそうですけれども、世界中にいろんなロゴがありますので、ちょっと似ているんではないかというようなことはしばしば起こるわけですね。そのときには、もう抜本的に修正しても修正しきれないようなものであれば別でしょうけれども、その2番目のほうにいくんでしょうけれども、修正することによって、微修正を加えることによってクリアできるという状況が1つ。 それから、実は1位と2位の差が今回は非常に大きかったわけなんです。8人の委員の方が、半数の人が佐野さん、それからその他がいろいろ分かれたということなんですね、そういう具合に圧倒的に支持を得たということもあり、修正でいこうということになったわけなんです。その間は、28日にもご説明しましたとおり、制作者の名前は完全に伏せられておりますので、誰が作ったものかは分からないわけなんですね、委員の人たちは。その段階で、今言った2つの中でどういう選択を採ろうかということで、結果的には修正のほうを採った。もちろん、そのときからやめたら良かったじゃないかという議論が現在において起こりうるというのは私もよく理解いたします。しかし当時の判断としては、それが最も皆さんが納得した対応だったというふうに言えるのではないかと思います。 司会:それでは、そちらの列の前の、はい。はい。 日本テレビ:日本テレビのミギマツと申します。よろしくお願いいたします。8月28日の会見では、このエンブレムを原案を示して、これは完全にオリジナルであるということを確信しているという会見をされました。依然としてその考えには今も揺るぎないというお考えを今、武藤さんも話をされていましたが、そうするならばやはりこれまでの一連の騒動で、その最大の使用中止決定の決め手というのは、まさに国民の理解が得られなくなってしまったということに尽きるというふうに受け止めてよろしいんでしょうか。 武藤:その点は大変重要なご指摘だと思います。おっしゃるとおり、佐野さんのご主張と永井さんのご判断を前提に考えれば、この取り下げの理由は、先ほど申し上げたとおり、国民の理解を今や得られなくなったという、そういうことで取り下げるということであります。このご指摘はなぜ重要かと言いますと、実はリエージュから起こされた訴訟にも関係しているわけなんです。リエージュの訴訟があったから取り下げられたんじゃないかというふうに誤解しがちなんですね。私どもはそういう説明はしてません。してませんけど、何も事情の知らない人は、リエージュの訴訟があったから取り下げるんじゃないかというふうに考えがちなので、この点は、むしろ私は、今、訴訟をやってる当事者はIOCでございます。リエージュの劇場はIOCを訴えてるんですね。IOCの訴訟対応に本当にご迷惑を掛けてしまうので、繰り返し強調したいわけですけれども、リエージュの問題とはまったくこの取り下げは関係ございませんと。 それから原案が似てるということが問題の発端ではあるんだけれども、それはいろいろ聞いてみると、先ほど来申し上げたようなことでありますので、結論としては国民の皆さまの支援がない、そういうエンブレムを使い続けることがオリンピック東京大会を成功に導くというわれわれの考えにそぐわないというふうに考えた次第であります。