被災地対象に電気料支援 北電・松田社長が方針
●来月にもメニュー公表「移住、定住促進の一助に」 北陸電力の松田光司社長は24日、北國新聞社の取材に応じ、元日の地震や奥能登豪雨の被災地を対象にした電気料金の支援策を1月にも公表する方針を示した。被災地に移住した世帯や進出した法人を対象とすることを想定し、支援メニューの具体的な内容や地域、時期は協議を重ねている。能登を中心に人口流出が進んでおり、松田社長は「被災地への移住や定住を促す一助としたい」と期待した。 松田社長は被災地への支援策について「被災から立て直した時に、電気料金としてどんな支援ができるかを考えている。被災地に戻ってくる人、縁もゆかりもないけど被災地に住んで頑張りたい人、そういう人を応援したい」と語った。 地震と豪雨では被災地で計約3300本の電柱が被災した。このうち現時点で約千本の復旧を終えており、松田社長は残りの約2300本について「電柱のある道路や路肩の状況にも関係してくるが、一日も早く復旧させたい」と述べた。 被災地の復興支援としては、災害ごみや流木、倒木を七尾大田火力発電所2号機の燃料に活用する取り組みを進めている。松田社長は試験的に活用した結果、災害ごみにくぎや化学塗料などが含まれていないか確認する必要があるとし「大変だが継続していき、復興へ寄り添いたい」とした。 ●利益確保へ「改革」 今期の業績面では、2023~27年度の中期経営計画で掲げた450億円以上の経常利益を確保する目標達成が視野に入っている状況となっている。ただ、地震と豪雨で設備などの被害額が約600億円に上る見込みで、松田社長は「予定外の損失をリカバリーする改革、効率化を進めないといけない」と強調した。 来年に向けては被災地の復興支援、利益の積み増しに加えて、水力発電の強化を進めて温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」に力を入れる方針を語った。