横田めぐみさん拉致から47年…被害者救出への道筋が見えないまま約半世紀「政治とは何なのか」【母・早紀江さん会見詳細】
次期アメリカ大統領 トランプ氏への期待
一方で、次期アメリカ大統領に就任するトランプ氏に対する家族の期待は大きい。前回就任時には史上初めて米朝首脳会談を実現させ、拉致被害者家族とも2度、面会しているトランプ氏。 早紀江さんは、「『こんな大変な問題は日本だけの問題ではない』と家族会みんなで訴えてきたので、トランプさんは覚えていてくださっていると思う。北朝鮮の金正恩総書記というのは大変な人間だと分かった上で、必ず何かの形で真剣に動かれると思う」 日本が主体的に動くことはもちろん、金正恩総書記との会談の実績を持つトランプ氏とこの問題でいかに連携できるかは大きな意味を持つと言える。
「浜辺を見るのは嫌・・・」悲劇の土地となった新潟
横田家は、日本銀行の行員だった父・滋さんとともに全国転勤を重ねた。名古屋で生まれためぐみさんは、東京・広島で成長。そして1976年、拉致が実行される前年に新潟へ引っ越した。 「雪が降るね」「海があるね」と、新天地での生活に期待を膨らませていた一家。しかし、その新潟で突如として愛する娘を奪われる。 会見で、47年前の記憶を問われた早紀江さんは、「新潟に行くのはなかなか心が動かない。あの辺りを見るのが嫌で…浜辺とかあの辺も、とても嫌なところになってしまった。新潟の人には良くしていただいたので感謝しているが、感覚的には耐えられない場所」と答えた。 耐えられない苦しみを47年間、強いられた人生。しかし、それ以上に苦しいのは、愛する娘が北朝鮮で自由のない暮らしをしているということだ。 「ただただかわいそう。私たちは何でも食べられているし、健康でいられる。本当にあの恐ろしい国で、どんな生活しているんだろうといつも思う」
過去を振り返ることはない。望むものはこの先にある
毎年11月15日にあわせて会見に応じている早紀江さん。その節目が、嘆き訴えるためにあることは正しい姿ではないはずだ。 「今は、拉致された当時を細やかに回顧して嘆くということはない。そういうことは、もう何年も何年もやってきたから。今は何か希望につながることが起きたらいいなということだけです」 何か希望につながること。家族は、再会に向けた具体的な動きが今日にも明日にも見られることだけを信じている。
NST新潟総合テレビ