「僕には生活費すらない」地方公立校から塾ナシで東大合格→仕送りナシで“貧困生活”…地方出身の東大生が、入学後に突きつけられた“厳しい現実”
日々の何気ない会話で心がすり減ってしまったワケ
奨学金が決まらない中、三鷹寮から東大までを往復する日々。僕みたいにお金がない学生が周りにはほとんどいないことにも衝撃を受けていた。両親の職業の話題になっても、びっくりするくらい「凄い」人が親だったりする。 「大変なところに迷い込んでしまったのかもしれない…」 ただでさえ、慣れない土地での一人暮らしだ。伊勢高校での勉強ともわけが違う。何より、4年間を乗り切るための奨学金を必死で探し、節約し日々を生きている僕がそんな「小さなこと」で心をすり減らしている間に、同級生たちは勉強に集中したり、海外で経験を積んだり、「有意義なこと」にエネルギーを注いでいる。 僕みたいな貧乏人はこんなところにいる資格はないのかもしれない。日々の何気ない会話でそのことを突きつけられるような気がして、気づけば心がすり減っていった。 人は長期的な最低限の保障がなければ、未来に向けた努力を落ち着いてすることなんてとてもできない。そのことを身に染みて実感する日々だった。 “エリート育ち”の東大出身者は「普通の日本人」を知らない…両親高卒・地方出身の“苦労人”東大生が、大学入学後に抱いた違和感の正体 へ続く
矢口 太一/Webオリジナル(外部転載)