維新、参院選1人区「予備選を」…立民・野田代表は前向きだが「比例票掘り起こしに影響出る」懸念も
日本維新の会が来夏の参院選に向け、改選定数1の「1人区」で野党候補を一本化するための「予備選」の実現を目指し、各党に連携を呼びかけている。参院でも与党を過半数割れに追い込む狙いがあり、とりわけ立憲民主、国民民主両党の参加を期待するが、実現の見通しは立っていない。
維新の吉村代表(大阪府知事)は10日、府庁で「予備選の勝者が横綱(与党候補)と戦う。政策実現にはそちらの方が近道だ」と記者団に強調した。
予備選では、世論調査や衆院選比例選の得票数などを活用し、全国に32ある1人区で野党候補を1人に絞り込むことを想定する。維新は「選挙」の形式をとれば野合との批判をかわせるとみており、来年の通常国会までに各野党に予備選の試案を提示する考えだ。
吉村氏の呼びかけに対し、立民の野田代表は「一つのアイデアだ。(野党の)一本化実現を早めにしていきたい」と前向きに語っている。ただ、予備選で負けた政党は選挙区で候補者を擁立できなくなるため、「比例票の掘り起こしに影響が出る」(立民幹部)との懸念の声も出ている。
維新の前原誠司共同代表は10日の立民へのあいさつ回りの際、予備選への協力要請を見送った。その後の記者会見で「スキームができてから全野党に呼びかける」と理由を説明した。
維新は予備選を巡り、国民民主にも「価値観は一番近い」(吉村氏)と秋波を送るが、前原氏は国民民主を除籍された経緯がある。同党幹部は「前原氏とは協議しづらいが、維新とは政策的に近い」と語り、対応を慎重に検討する構えだ。