エーザイCEO、アルツハイマー新薬は30年度米承認目標-治癒も視野
(ブルームバーグ): エーザイは7日、同社と米バイオジェンが共同開発した「レカネマブ」とは異なる病理に作用する開発中の新たなアルツハイマー治療薬について、米国市場での承認を2031年3月期に目指していると明らかにした。
内藤晴夫最高経営責任者(CEO)が7日に都内で開かれた記者懇談会で明らかにした。昨年米国などで承認を得たレカネマブは脳内の神経細胞の外側にある有害なタンパク質「アミロイドベータ」を標的とするが、開発中の「E2814」は、神経細胞内にあるタンパク質「タウ」を標的とする候補薬だ。
アミロイドベータとタウはアルツハイマー病の2大病理とされており、内藤氏はレカネマブと現在開発中の新薬がそろえばアルツハイマー病の「治癒も視野に入る」と語った。
レカネマブは、これまでの治療薬が対症療法だったのとは異なり、病気の原因に働きかけることで症状の進行を抑えることが特徴だが、投与の対象者は軽度の患者に限られることや、根治はできないなどの課題があった。
内藤氏はレカネマブを潜在患者に対してより早期投入できるようにするための臨床試験を展開中で、29年3月期までの承認を目指していることも明らかにした。
適応対象者を拡大することができれば33年3月期までにレカネマブ関連の売上高が約1兆6000億円となる可能性があるという。同期の連結売上高は2兆円超の見通しとしている。
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Grace Huang