北朝鮮の映画に「裂かれる韓国国旗」…敵対的「二国家論」反映した新作登場
【01月09日 KOREA WAVE】北朝鮮が朝鮮中央テレビで最近公開した映画「72時間」で、南北を「敵対する二国家」と位置づける現在の方針が文化芸術作品にも反映されていることが明らかになった。この映画は、北朝鮮の歴史観と対南敵対意識を広めるための新たなプロパガンダとして注目を集めている。 1月2、3両日に放映されたこの映画は、1950年の朝鮮戦争初期の北朝鮮軍による「ソウル解放」を描いている。北朝鮮側の歴史観に基づき、米国と韓国が戦争を先に仕掛けたという設定のもと、北朝鮮が戦争を優位に進めた様子が描かれている。 注目すべきは、北朝鮮の映画としては異例の形で太極旗が登場し、それを北朝鮮軍が裂く場面が描かれたことだ。北朝鮮はこれまで「南朝鮮」や「傀儡政権」として韓国を軽蔑的に扱い、韓国の象徴を登場させることを避けてきた。しかし、この映画では「韓国」や「大韓民国」という表現が頻繁に使われており、南北関係を「二国家間の敵対関係」として明確に示す新たな方針が作品に反映されている。 朝鮮中央テレビは、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記がこの映画のタイトルを決定し、脚本の一部を執筆するなど、制作全体を指導したと強調している。最高指導者自らが関与したこの映画は、今後、北朝鮮で広範なプロパガンダ活動に利用されそうだ。 専門家は、この映画の公開が北朝鮮の文化政策の変化を示していると指摘している。南北関係を明確に敵対的な二国家関係として描くことは、北朝鮮国内での対南敵意を高めると同時に、韓国との協調路線が遠ざかる可能性を示唆している。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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