「エクソソーム」&「幹細胞培養上清液」とは? 頭皮スパや美容医療で注目度増す
エクソソームは、幹細胞を培養するときにできる上澄み液「幹細胞培養上清液」に多く含まれる。“エクソソーム(幹細胞培養上清液)”(1回、10万5000円)を展開する、東京美容クリニック表参道本院・山村菜実医師は「幹細胞を培養し、その培養液から幹細胞を取り出し滅菌などを行った液体の上澄み液『幹細胞培養上清液』に、エクソソームをはじめ、多くの生理活性物質が含まれている。このため、幹細胞培養上清液を『エクソソーム』と称するクリニックもある。エクソソームは、エイジング、ニキビ、しわなど幅広い悩みにアプローチする。当院では、さまざまな美容医療を経験された40代から50代の顧客が、たるみ毛穴、シワなどを理由に施術を受けるケースが多い。エクソソーム注射は、頬やおでこに注入することが多く、1カ月おきを目安に施術を受けることができる」。
神宮外苑ウーマンライフクリニック・伊沢博美医師は「エクソソームは、細胞間のコミュニケーションを促進する。抗炎症、免疫調整といった特性を持ち、炎症性疾患の治療にも有望とされている。汎用性が高い一方で、懸念点もある。一般消費者からは、高品質の製剤が見分けにくい点だ。現時点では、エクソソームの製造・収集方法の標準化が規定されていない。また、体内での半減期が短いため、持続的な効果を得るためには頻繁な投与が必要になる可能性がある」とコメント。
エクソソームを豊富に含む「幹細胞培養上清液」は由来によって特長が異なる
一言で「幹細胞培養上清液」といっても、元となる幹細胞の由来によって特長が異なる。「一般的に、臍帯由来はフレッシュな幹細胞で、エクソソーム含有量が多いといわれている。肌のターンオーバーが促され、幅広い美容効果が期待できるが、臍帯由来の幹細胞培養上清液の国内生産は数社で少ない。脂肪由来は、比較的価格を抑えられるメリットがある。歯髄由来も乳歯を使うので、臍帯由来同様にエクソソームを豊富に含んでいる」と山村菜実医師。