真面目な役は意外!?「おむすび」神戸市職員役で新納慎也が朝ドラ続投
神戸市出身の新納は、阪神・淡路大震災当時は大学生で、大阪に住んでいたという。「阪神・淡路大震災を描くと聞いた時にちょっとヒリヒリする独特の感覚がありました。震災時は神戸で暮らす家族と連絡が取れなくなったのが心配で、水をかついで実家まで9時間近くかけて戻った経験も。途中、電車が止まっていて、徒歩も交えて神戸にたどり着きました。幸い家族は無事でしたが、避難所へ知人を探しに行ったのを覚えています」と被災当時のリアルな記憶を思い出す。 続けて「劇中の避難所シーンの撮影では『こんなんやったね…』と、当時を思い出しましたね。エキストラさんがすし詰め状態で、プライバシーも何もない感じがリアルでした。当時の避難所は現在の避難所の様子とはかなり違っていて、もっともっとギュウギュウでした。阪神・淡路大震災以後、少しずつ改善されたんでしょうね。ただ、震災は僕にとって傷であるだけでなく、誇りでもあるんです。震災当時は本当にどうなることかと思いましたし、約30年たつ今だから言えることですが、復旧復興して前向きに進んでいった神戸が誇りです」と、被災当事者だからこそ言える言葉を紡ぐ。 そう思う一方で「各地で大きな地震が起きるたびに大きく傷つく自分もいます」との本音も。「今年起きた能登半島地震の被災地のことがずっと気がかりですし、復旧復興が遅れている現状にとても心を痛めています。このタイミングで『おむすび』が放送されることで、能登をはじめとする各被災地の方々に『大丈夫だよ、必ずこうやって乗り越えられるから! この国の人たちにはそのパワーがあるよ!』と伝わったらいいなと思っています」と力を込める。 「作品に出てきたら何かしでかすと思われがちな僕ですが、今回は何もしません…多分」とユーモアたっぷりに笑う新納だが、演じる若林は何もしないわけではない。「神戸の復旧復興を願う、真面目な市役所職員役を楽しんでいただけたら幸いです」とも言うように、若林は、神戸の人々を支える仕事を果たしていく。そんな役を通じて伝えたい思いを「震災を描く作品なので、神戸や東北、能登など、各被災地の方々が悲しいことを思い出してしまうシーンもあるかもしれませんが、『いや、待てよ。これを乗り越えてきたやんか!』とパワーに変換していただけたら。日本は地震大国で何度も何度も地震に見舞われていますが、その記憶も前に進むパワーなんだと捉えてドラマを見ていただければうれしいです」と話した。
【番組情報】
連続テレビ小説「おむすび」 NHK総合 月~土曜 午前8:00~8:15ほか ※土曜は1週間の振り返り NHK BS・NHK BSプレミアム4K 月~金曜 午前7:30~7:45ほか
文/TVガイドWeb編集部