ロシア反体制派ナワリヌイ氏死亡 プーチン氏に「忖度して殺害」の可能性も
危惧されるザルジニー総司令官解任による戦闘への悪影響
飯田)前の総司令官だったザルジニー氏が解任されましたが、足並みの乱れのようなものは目立ちますか? 廣瀬)確かにザルジニー氏は人気がありましたし、逆に新しい司令官であるシルスキー氏はあまり人気がありません。シルスキー氏を支持しているのは40%くらいです。他方で「ザルジニー氏の解任を残念に思う」という評価が70%以上になっています。それが現場の兵士や、国で兵士を支える国民にとって、どれくらいのインパクトになるのかはまだ見えていません。しかし、国民の連帯にヒビを入れるような状態になると、ウクライナの戦闘においても悪い影響が出てくる可能性が高いので、危惧しているところです。
ウクライナが日本に期待する復興に関する知見や技術
飯田)また、きょう(19日)から「日・ウクライナ経済復興推進会議」が行われます。我々ができる支援として、どんなことが考えられますか? 廣瀬)一部の日本人のなかには、「まだ戦争は続いているのに復興など考えるべきではない」という意見もありますが、いま動くことに意味があります。戦闘が行われていないところを少しでも早く戻すのは重要であり、日本の地雷除去のような技術が役に立つのです。日本は第二次世界大戦からの復興や、多くの災害から立ち直ってきた歴史があり、そのような知見や経験、技術をウクライナは求めています。日本にできることはたくさんある。戦時中ではありますが、できることからやっていき、戦争が終わったら本格的な復興を手伝うような流れで、日本が大きな力を発揮できる側面ではないかと思います。 飯田)2023年は経済ミッションの方々もキーウを訪問しましたが、現地も見ているわけですよね? 廣瀬)ただ、現地でビジネスが展開できるかと言うと、難しいところもあります。キーウにもかなり日常が戻ってきてはいるものの、未だにミサイルが落ち、防空警報も頻繁に鳴っている状況なので、日本人が現地で働くのは難しいでしょう。どんな形で日本企業がいまからでも関われるのか。ヨーロッパ企業のなかには、既に入っている企業もあるので、それらを参考にしながら「できることをやっていく」という状態だと思います。