小林麻美が語る「雨音はショパンの調べ」の秘話とは
伝説のミューズ、小林麻美が“ジェントルマン”について考える連載。 Vol.6は、自身最大のヒット曲「雨音はショパンの調べ」について振り返る。 【写真を見る】小林麻美の今
ピアノがいちばん好きな楽器
「雨音はショパンの調べ」は、1984年オリコンの週間1位を獲得した。彼女にとって最大のヒット曲となる。この曲はガゼボ「I LIKE CHOPIN」(83年)のカバーで、松任谷由実が彼女に向けて訳詞をしたものだ。当初のタイトルは「ショパンは弾かないで」だったらしいが、ユーミンとレコーディングを重ねながら、歌詞を手直ししているうちにこのタイトルに落ち着いたそうだ。 ピアノがいちばん好きな楽器という彼女にとって“ショパン”は特別な存在で、また“雨音”はアンニュイな彼女のイメージに想起させるタイトルとなった。幼少期から彼女にとってピアノはいつも身近で、ピアノについて、彼女は息子にこんな夢も託した。 「突然、“ジャーン”とショパンを弾き始めるような男の子になったほしかったのです。弾きそうもない感じの男の子がそれをやったら超かっこいいなと思って習わせたかった。というか習っていたのです。それがいつの間にか空手になってしまうのですけど(笑)。ピアノの先生だった姉に教わって小学校から中学2年生くらいまで細々とやっていたかな。その辺からだんだんとフェイドアウトしちゃったので、突然、ショパンまではいきませでした。ピアノが上手に弾ける男の人って、ほんとうにかっこよくないですか? おじさんでもピアノが上手いと、一瞬、胸が熱くなります。この間も政治家の方が弾いていたのですけど、やっぱりいいですよね。息子にもそれを願ったのですけど、ダメでした(笑)。 ピアノは1番好きな楽器ですね。なかでも、やっぱりショパンが好きですけど、姉がよく弾いていたヴェートーヴェンの『月光』の第三楽章もいいです。最近またピアノがやりたい気持ちになったんですが、また嫌になったら困るので、まずは安いキーボードを買ってみようかと思っています。いまさら、チェルニーやハノンとかの教則本じゃなくて、まずは1曲弾くことからはじめたいです。私だったらなにかな? やっぱりショパンの『ノクターン』かしら?」