「朗希には“応援される人間に”と指導した」 恩師が語った、佐々木朗希のメジャー挑戦への思い 「本人が決めたことなので、頑張ってほしい」
「現状、ロッテは2億9000万円しか受け取れない」
しかもロッテは佐々木を手放すことで、70億円もの“損失”を被るという試算もある。メジャーの規定で25歳未満の海外選手はマイナー契約しか結べず、巨額な譲渡金が得られない。 「25歳で渡米した山本投手の場合、移籍したドジャースからオリックスへの譲渡金は約72億円でした。米球界で佐々木は山本並みに期待されていますから、2年待って、25歳になればメジャー契約が可能になり、多額の譲渡金が発生した可能性が高い。現状だとロッテは最大で約2億9000万円しか受け取れません」(前出の記者) 実際、メジャー容認を説明するためロッテが開いた会見では、記者から“ファンの理解を得られるのか”“高額の譲渡金を得られないのでは”などの厳しい質問が相次いだという。矢面に立った松本尚樹球団本部長は、こう答えるのが精いっぱいだった。 「(メジャーに行きたいという)本人の強い思いを5年間、聞いてきた」 「こうなったら背中を押してあげたい」 毎年のようにメジャー入りを球団に訴え続けた佐々木は、昨年オフの契約更改がキャンプ直前までまとまらず、大もめとなったことは記憶に新しい。
「米国の植民地のよう」
そして今季、最後はロッテが折れ寛大な姿勢をアピールしたわけだが、それを偽らざる本音だと受け取る人がどれだけいるのか。 “ミスターロッテ”こと元ロッテ監督の有藤道世氏は、 「一般的には、ダルビッシュのように25歳になってから渡米するところ、よくロッテは送り出す決断を下したなと。ロッテが勝ち続けることを願う者として、佐々木がいなくなれば戦力ダウンは明らかだから」 かつてロッテに在籍していた経験を持つ野球評論家の張本勲氏に聞くと、 「佐々木はいわば温室育ち。球団から過保護に育てられてきた。そう思う人たちが“チームに恩返しをしていない”と言うのは理解できる。まるで日本球界は、メジャーに行くための踏み台、米国の植民地のようになっているのが悔しいし悲しい。これを機に球界全体でルールを見直さないと、今後も将来有望の選手が次々と米国へ行ってしまうよ」