台湾金融大手の国泰、中国リスク重大視せず-ハイテク株バブルを否定
(ブルームバーグ): 台湾最大級の金融グループの国泰金控は、台湾と中国の関係に伴うリスクを重大視しないとの考えを示したほか、人工知能(AI)需要にけん引された台湾ハイテク株の上昇は持続可能だと述べた。
国泰の李長庚社長は6月26日のロンドンでのインタビューで、中台の指導者は「多くの難しい問題」にどう対処すべきか理解する思慮分別を持ち合わせていると延べ、最近の緊張にもかかわらず、中国との関係がそれほど大きく悪化する公算は小さいとの見方を示した。
台湾は先週、中国への渡航危険情報を4段階中2番目に高いレベルに引き上げた。中国当局が「台湾独立派」に対し、死刑を含む処罰を定めた司法手続きの指針を発表したことを理由に挙げた。一方、5月20日に就任した台湾の頼清徳総統は、中国との対話にオープンな姿勢を示している。
国泰は中台の規制当局と連絡を取り合っているが、同グループへの悪影響はまだないと李氏は述べた。銀行、保険、証券会社を運営する同グループの中国・香港のスタッフ数は2022年末時点で130人余り。
李氏はまた、台湾積体電路製造(TSMC)を含む台湾半導体企業の高い株価バリュエーションを擁護した。
「これが真のバブルだとは思えない。これらの企業は本当に価値や利益を生み出しているからだ」と同氏は指摘。利益と価値の創出が追いつかなければハイテク株が後退する可能性はあるが、そうでなければ「間違いなくあともう少し持続可能だ」と述べた。
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原題:Taiwan Bank Giant Downplays China Risks, Sees No Tech ‘Bubble’(抜粋)
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Chien-Hua Wan, Jennifer Creery