コンパクトなのに7名乗車/7名就寝を実現! キャブコンキャンピングカー・KAGAYAKI(日本特種ボディー)
【&M連載】キャンピングカーで行こう!
前回、いすゞの新型キャンピングカーベース車「Travio」をご紹介しました。今回は、このTravioを採用している日本特種ボディー(本社:埼玉県越谷市)の「KAGAYAKI」についてご紹介しましょう。 【画像】もっと写真を見る(7枚)
気になる“走行性能”は?
短時間かつ一般道のみの試乗でしたが、新型ベース車Travioの乗り味は非常に好印象でした。 エンジンは1898ccターボディーゼルです。比較すべきはライバルであるトヨタ「カムロード」のディーゼルでしょう。どちらもターボディーゼルですが、カムロードは2754ccですから排気量はひと回り小さめ。以下の表にある通り、最高出力では差があります。が、最大トルクではカムロードを上回っています。これが何を意味するのかを簡単に解説します。 ◎メリット◎=トルクが大きい トルクが大きいということは、停止状態からの動き出しがパワフルかつスムーズであるということ。実際に運転してみても、街なか走行に多い「ストップ&ゴー」を繰り返す状況でも、ストレスは感じられませんでした。キャンピングカーのように重量のある車両にとって、この「トルクが力強い」というのは大きなメリット。走り出しも加速も余裕ですし、安定した走行が見込めます。 ●デメリット?●=最高出力が小さい 最高出力が小さいということは、単純に言えばエンジンのパワーが小さいということです。重たい車両にパワーの弱いエンジンでは困るのでは?と思われるかもしれませんが、前述のとおり、トルクに優れていますので問題はありません。もとより高速走行を目指すスポーツカーではないのですから、キャンピングカーの走行性能としては最高出力はあまり影響しないと考えます。
ドライバビリティー(運転のしやすさ)はどうでしょう。 ■ミッション Travioのミッションは6速ATです。兄貴分のいすゞ「Be-cam」のようなロボタイズドMTではなく、一般的なトルコンATなので癖もなく、スムーズな変速感です。減速時にはシフトダウンして積極的にエンジンブレーキを使うセッティングになっているのも、評価できる点でしょう。 ■ブレーキ 四輪ともディスクブレーキです(カムロードはリア・ドラム)。乗ってみた感想は、ブレーキの利き方・ブレーキペダルを緩めた時の挙動ともに、感触は乗用車に近く好感が持てました。 ■小回り加減 最小回転半径は4.4mと軽自動車並み。コンパクトなボディーともあいまって、街中での走行はもちろん、車庫入れなども楽々でした。キャンピングカーの、とくにキャブコンの運転で敬遠されるのが車格の大きさや取り回しのしにくさですが、軽自動車並みのコンパクトな動きができるとあれば、心理的ハードルはかなり低いでしょう。 ちなみにカムロードの最小回転半径は4.8m(コンパクトカー並み)。とはいえこちらもそれほど大回りというわけではありません。 ■乗り心地 一番気になるのが乗り心地でしょう。運転してみるとリア側の突き上げもありませんし、カーブ時のロールもよく制御されていました。コンビニの駐車場に入る時のような、段差を乗り越える際の動きもよくチェックされていて、大きな横揺れもありません。 ■唯一残念だったこと ささいな点ですが、残念だったこともひとつ、ありました。いすゞ・Be-camにはあったクルーズコントロールがTravioでは省略されているのです。長距離走行が多いキャンピングカーには必須ともいえるクルーズコントロールなので、これはぜひ搭載してほしい機能でしょう。今後、実車のデリバリーが始まって、どこかサードパーティーから出てくるのを期待しましょう。