川崎重工不正「事なかれ主義の組織風土に原因」…特別調査委が悪習の慣例化や法令順守の軽視指摘
海上自衛隊の潜水艦の修理に絡み、社員が乗組員に物品や飲食代を提供していた問題で、川崎重工業は27日、有識者で構成する特別調査委員会の中間報告書を公表した。
報告書では、今回の不正の原因について「組織的な不正であり、法令順守の軽視や、事なかれ主義の組織風土があったと評価せざるを得ない」と総括した。
東京都内で記者会見した調査委員長の渡辺徹弁護士は「(潜水艦の修理を担っていた)修繕部の担当者が世代交代をしながら(悪習が)慣例化し、悪いことをしている意識が希薄化していった。内部通報機能も不全に陥っていた」と指摘した。
川崎重工の橋本康彦社長は会見で「修繕部の人事のローテーションがなく、外部に漏れなかった。大きな反省点だ」と強調。その上で、「この機会に全てのウミを出し切る覚悟で、再び信頼をいただけるよう体制を再構築する」と述べた。
再発防止に向けては、修繕部内に集中していた機能を分離し、監視機能を強化する。発注担当と納入時の担当者を分けるほか、納入された商品を写真撮影して記録を残す。デジタル化によって金の流れを透明化し、人事の入れ替えも加速させるとした。