【毎日書評】「心の病は、生きている証です」と精神科医がいいきる理由
心の病は自己判断しないこと
近年は精神科医が身近な存在になってきましたが、だからこそ著者は診療を始めるときに、精神科医が患者さんに「よい医師に会った」と感じてもらうことはとても重要だと考えているのだそうです。それは、患者さんが医師を信じて期待を持つことから、平常心は強くなると考えているから。 心の病を疑っても、最初から精神科医への相談をためらう(相談したくない)人もいると思います。 実際、眠れない、食欲がない、めまいがする、頭痛がするなど体に現れる症状が気になって、内科や耳鼻科を受診する人はいます。 そのときに気をつけるのは、処方された薬で症状がよくなったからといっても、再び同じ症状が現れたときは、心の病を疑ってみることです。(157ページより) もちろん心の病以外の疾患もあるので、一概に精神科以外の科を受診することが悪いということではないでしょう。しかしいずれにしても、体や心の異変に気づいたら、内科であれ精神科であれ、自己判断せずに医師に相談することが大切だということです。(156ページより) 著者は患者さんに、「心の病は誰もがかかる可能性がある物で、悲劇でもなんでもなく、これからの人生を考えるターニングポイント」だと伝えているそう。「幸せになるか、崩壊するか、どちらに転ぶかは、“生きていることに価値があると信じられるかどうか”」だとも。そうした考え方を軸とした本書は、心の病で悩む方をきっと支えてくれることでしょう。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: アスコム
印南敦史