【毎日書評】習慣化の3つの原則。すごく目標を下げる、動けるときに思い出す…もうひとつは?
「継続」が苦手だった『200万人の「挫折」と「成功」のデータからわかった 継続する技術』(戸田大介 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、あるとき『継続する技術』という習慣化アプリをつくりはじめたのだそうです。 そのアプリは結果的に、日本でいちばん多く使われる習慣化アプリにまで成長したそう。つまり本書は、その過程で得られた“人間心理に関するたくさんの学び”をもとに書かれているわけです。 ちなみに執筆にあたっては、アプリ開発から得られた「たくさんの学び」を詰め込まないことを意識したのだといいます。人が吸収できる知識量には限界があり、すべての情報が重要なわけではないから、というのがその理由。 そこで本書では成果(継続成功率)に大きく影響するものだけを扱うことに決め、次の三原則を導き出したのです。 原則1 すごく目標を下げる 原則2 動けるときに思い出す 原則3 例外を設けない (「はじめに」より) どことなく地味な印象があるかもしれませんが、これらの原則を守った人は、筋トレや勉強などの「30日間継続成功率」が最低でも8.23倍高いことが確認されたというのです(データ数:5万7059件 集計期間:2021年1月1日~2022年12月31日)。 成功率が8倍も高まるということは、8倍多くの成功を体験するということでもあるはず。そこで本書は、「今後の努力が実を結ぶ可能性」をできるだけ高めることを目指して書かれているわけです。 きょうはそんな本書のなかから、上記3原則についての「対策」をいくつか抜き出してみたいと思います。
「すごく目標を下げる」ための対策:目標は5分以内
なにかを始めるときは、「1日5分でできる低い目標」がオススメだそう。いくらなんでも5分では短すぎるようにも思えますが、はじめのころは、やってみれば5分でもギリギリだと感じるものだというのです。 たとえば「筋トレを5分やる」と目標を立てて臨んだとき、実際に5分やり終えてみたら「もう少しやろうかな」と思ったりすることは珍しくありません。やるまでは面倒でも、一度やってしまうとテンションが上がったりするものだからです。 そんなときには、プラス10分でも20分でも筋トレを続けてOK。 つまり「5分しかやってはいけない」ということではなく、本当の狙いは「もっとやりたい」という気持ちを生むことだということ。したがって「目標」は5分でも、「実際の成果」は20分になったりするわけです。(68ページより)