<倉沢杏菜>「VRおじさん」から「光る君へ」 藤原妍子役で注目の19歳、好演の裏側 初大河も“伸び伸び自由に”を意識
「今回の大河ドラマの現場は作り込まれていて完成度も高いのですが、京都に行ったことで、“セットの外”をイメージできたことはすごくよかったなと思います。あとはNHKでご用意いただいた所作のお稽古とは別に、日本舞踊も習わせていただいて、いい準備ができたと思います」
◇“最高権力者”道長も手を焼くほどの妍子 演じるにあたっては…
演じる妍子は、藤原道長(柄本佑さん)と嫡妻・倫子(黒木華さん)の次女。東宮・居貞親王(のちの三条天皇、木村達成さん)の妃となるが、東宮がはるかに年長であることに不満を抱く。キラキラした贅沢な衣装や道具が好きで、この辺りが「平安のギャル」、または「平安のパリピ」と呼ばれる所以だ。
時の最高権力者である父・道長も手を焼くほどの奔放な言動を繰り返す妍子。
「表情にすごく反響がありまして、私自身がそこまで注目して見ていただけるとは思っていなかったので、そういうふうに視聴者の皆さんが楽しんでいただけているのはすごくうれしかったです」
演じるにあたっては「必要以上に“平安の貴族”というものにとらわれないようにしたいな、とは思っていました」と話す倉沢さん。
「重いお衣装を着て、豪華なセットの中に入ると、自分でも背筋がピンと伸びる感覚はあったのですが、そうするとお行儀よくなりがちと思ったので、それにとらわれず自由に、ある意味“貴族感満載のお姫様”の自由な感じが出せるように、とは意識しました。ドラマの放送を見て『だいぶ異質だな、妍子』と自分でも思って、ここまで丁寧に大事に作り上げてきたドラマの世界観を壊していないか、少し心配にもなりましたが、現場の皆さんからも『妍子、いいね』と言ってもらえて一安心です」
一方で、妍子が居貞親王(三条天皇)を「年寄り」扱いする場面に関しては、倉沢さんも「放送を見て何てこと言うんだと思いました(笑)」と明かす。
「現場では三条天皇役の木村さんには『本当に申し訳ございません』とお伝えしました(笑)。当時の感覚だと、18歳差ってはるかに年の離れている相手となるので、妍子の境遇含めて、気持ちは理解できなくはないけれど、口に出しちゃうのは、よろしくないなと思います。でも、妍子っぽいなって(笑)」