「会って0秒」で相手の心の扉を開けられる鍵 元TBSアナウンサーが実践するコミュ力アップ術
■よい対話を始める3原則「挨拶・笑顔・好奇心」 初めに、アタマに入れておきたいのが、対話の質を高めるスタートダッシュを決める3原則「挨拶・笑顔・好奇心」です。 【この記事の他の画像を見る】 まず、挨拶。 「おはようございます」 「こんにちは」 「はじめまして」 体の正面を相手に向け、しっかり目を見て、語尾まではっきりと発声して挨拶。あたりまえのマナーのようで、実はきちんとできている人は少ないと私は感じます。 「うっす」「おざす」「うぃ」と雑な挨拶をする若者が多い中で、一人だけ明瞭に「おはようございます」と言えたら、いい意味で目立ちますよね。
挨拶は、相手の存在を承認する最もシンプルなコミュニケーションだとも言われます。 ポイントは、相手から言われるより早く、自分から先手を打つこと。「会って0秒」で発する一言の挨拶は、「今日、あなたとお会いできてうれしいです」というポジティブなメッセージに。 気持ちいい挨拶は、相手の心の扉を開けるカギとなり、そこから始まるコミュニケーションを円滑にします。 大事なルーティンとして、サボらず丁寧に心がけたいものです。
また、挨拶は「誰に対しても、いつでもフラットに」を意識したいもの。初対面のお客様には丁寧に挨拶をするのに、毎日顔を合わせる同僚に対しては無言。これでは、「相手によって態度を変える人」という印象につながってしまうでしょう。 親しき仲にも礼儀あり。多少フランクな言い方になるのはいいとして、挨拶を交わすコミュニケーションは維持したいものです。 また、「先輩・後輩間の挨拶は、まず後輩から発するべき」といった、いかにも昭和風な年功序列的な考え方も、私はあまり好きではありません。挨拶の時点で上下関係が強調されることによって、その後の対話でフラットな関係性をつくることが難しくなるからです。
むしろ先輩のほうから「おはよう!」と笑顔で挨拶をするほうが、後輩にあたる人の緊張も解け、その後の対話が温まる効果があると思います。 私自身は、相手が目上の方であろうと、年下や後輩であろうと、「先手を打つ」と決めています。対話は会ってすぐの挨拶から始まっている、と心得ましょう。 ■笑顔は相手の緊張を解く魔法 挨拶とセットで意識したいのが、「笑顔」。これが、2つ目の原則です。 会ってすぐ、最初に向ける表情が笑顔だと、自然と相手の心も打ち解けます。なんとなく笑うのではなく、しっかりと相手の目を見て、「あなたに向けた笑顔ですよ」と心を込めることが大切です。