佐野史郎、連ドラ初主演作で団地に住む老人に 不気味さは冬彦さん以上?
6月2日からスタートした新ドラマ『限界団地』が面白い。意外にもこれが連ドラ初主演となる佐野史郎の怪演ぶりはもちろんのこと、団地妻役が妙にハマっている足立梨花にも注目したい。同作は東海テレビが制作しフジテレビ系列で放送されている“オトナの土ドラ”枠の新作で、同枠としては久々の心理サスペンス。前作の、新川優愛が看護学生役で主演した『いつまでも白い羽根』も良かったが、土曜よる11時40分からという週末深夜の時間帯で地道にファンを獲得しつつあるようだ。
佐野の快演は、冬彦さん超えかもしれない?
佐野は、90年代に社会現象とまでいわれるほどのブームを巻き起こしたマザコンキャラ・冬彦(ドラマ『ずっとあなたが好きだった』)で一躍ブレークしたが、今作では63歳になった佐野が冬彦を超えるような怖さを秘めたおじいちゃん、寺内さんこと寺内誠司役にチャレンジしている。 舞台は70年代に建てられた都内郊外にある「あやめ町団地」。もともと同団地の住人だった寺内(佐野)は、息子の結婚を機に離れていたが、その息子夫婦が火事で亡くなったことから、要介護の高齢の父親と可愛い孫娘を連れて戻ってきた。家事をパーフェクトにこなしながら、すっかり廃れてしまったあやめ町団地の復活を声高に訴え、コミュニティとしての結束を訴える寺内。しかし時を同じくして、彼の意に沿わない態度をとった住人の自殺や事故死などの事件が起きる。 いまのところ事件に寺内が関与しているのかどうかはわからないものの、孫娘への尋常ではない愛情や、団地の結束に執着する姿には、かつて佐野が演じてきた冬彦や麻利夫といった規格外ともいえる超個性的な人物像が重なって見える。佐野本人はドラマの制作発表で、冬彦よりも今回の寺内さんのほうが攻撃的で一枚上手、怖さは違うがやることは10倍ひどいとコメントしているから、今後どこまでエスカレートしていくのか。単に親切心が行き過ぎただけの老人なのか、それとも恐るべき異常性を隠し持つサイコパス老人なのか。