佐野史郎、連ドラ初主演作で団地に住む老人に 不気味さは冬彦さん以上?
25歳にして団地妻役がしっくりきている足立梨花
また、寺内の隣人である専業主婦の桜井江理子を演じる足立梨花だが、25歳にして団地妻役がしっくりきている。顔立ちのいい美人だが、適度に地味さも兼ね備え、色香もただよってきた。佐野と足立は初共演だという。足立自身、子ども時代に団地住まいだった経験があるそうで、団地の雰囲気や住人たちの営みを目の当たりにしてきた。そういった面でもリアリティーが醸し出せるのかもしれない。足立の団地妻ぶりは、男性視聴者にとっては目の保養になりそうだ。 そして寺内が主張していること自体は、現段階では異常なこととはいえない。むしろ、あやめ町団地が“夢のニュータウン”と呼ばれた古き良き昭和の時代であれば、コミュニティの結束は当然のことだった。ドラマでは、寺内の意見に桜井が賛意を示す部分も描かれているが、“回覧板もない、表札も出さない、隣に誰が住んでいるかわからない”ことが当たり前となりつつある現在、このドラマは今一度、隣人との距離感を見つめ直す機会にもなるかもしれない。 ドラマはサスペンス仕立てで進行するが、要所要所で音楽が怖さを盛り上げる。重々しい音と軽やかな音の使い分けが、しっかり練られた脚本と役者の迫真の演技、カメラワークと相まって、恐怖感を演出する。 日常に潜む異常性や恐怖。全8回のなかで、今後どう展開していくのか。「限界団地」というタイトルの通り、なんらかの限界まで突き進んで行きそうで、先行きが気になる。 次も観たい度★★★★★