モー娘から新しい学校のリーダーズまで…親近感と「応援しなくちゃ」心理が生んだアイドル新時代
そして令和。世界的なコロナ禍の影響で、まさに接触するイベント「握手会」の開催は一時消滅することとなったが、スマホなどによる個別のビデオ通話イベントの実施や、アクリル板のパーテーション越しでの対面など、アイドル文化は次の「冬」を迎えることなく、アイドルという存在は時代が生み出す「ブーム」から「日常」として定着した。 「アイドル」という存在の定義は時代とともに大きく変化した。アイドル、とくに女性アイドルは年齢という壁は確実に存在し、ある程度の年齢でアイドル活動からの引退・卒業、解散がほとんどだったが、ハロプロやAKB48グループなどはメンバーを入れ替え楽曲を歌い継いでいくことでグループとしての旬を保ち続けてきた。 いっぽうで、現在は30歳でも現役アイドルであり続ける例も珍しくなく、ももクロやNegiccoのように結婚後もアイドル活動を続ける例が増えてきている。松田聖子や伊藤蘭を応援し続けるファンがその代表かもしれないが、未完成の原石が成長していく姿を見守ったり共感したりするアイドルの楽しみ方は、推しの人生そのものを応援することにも進化した。 ◆新しい学校のリーダーズの登場とアイドルという存在のボーダーレス化 コロナ禍と並行して動画配信の文化も一気に発展、YouTubeや配信アプリ、さらにはTikTokなど動画に特化したSNSで人気に火がつきヒットするという「TikTok売れ」という言葉も生み出した現象はアイドル界でも例外ではない。3年前にリリースされた楽曲『オトナブルー』が突如TikTokで「首振りダンス」の振り付けとともに爆発的にバズり、紅白歌合戦に出場した新しい学校のリーダーズのような存在もこれからまだまだ現れるだろう。 K-POP、声優、さらには2次元の世界など、「アイドル」という言葉が意味する存在のボーダーレス化はどんどん進む。“推し活”という言葉の浸透とともに、何かを推すということは当たり前の時代となった。 時代に合わせ進化を続ける「アイドル」という存在。さらなる次世代アイドルは、どういう形で現れるだろうか。 文:太田サトル ライター・編集・インタビュアー。学生時代よりライター活動を開始、現在はウェブや雑誌などで主にエンタメ系記事やインタビューなどを執筆。
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