大ヒット商品「生ジョッキ缶」の開発者が挑む、使い捨てプラスチックを「資源」に
■回収先は、「箱」ではなく「トレー」に
アサヒユウアスは広島県での取り組みに先立って、今年5月からホテル日航つくばでテスト展開を行い、全設置数の約4割の歯ブラシを廃棄することなく資源化できた。宿泊客を対象にしたアンケート調査では、約9割がこの取り組みに対して好意的だと回答した。再資源化した歯ブラシを使うことへの心理的なハードルが低いことが分かった。 歯ブラシの次は、ヘアブラシ、ヒゲ剃りの循環利用を促す予定だ。さらに、宿泊施設だけでなく、スタジアムやゴルフ場など、使い捨てプラスチックを大量に消費する場所との連携を考える。 だが、循環利用を実現するには、消費者の協力が欠かせない。どのようにして回収の効率化を図るのか。 アサヒユウアスの古原氏は、「宿泊者に自分で洗浄してもらい、箱ではなく、トレーに置いてもらうようにした。衛生的な状態で回収できることもポジティブに働いた」と話した。 素材を単一化したことも循環利用を促した。「回収後に素材を分別することは手間が掛かり、異素材の混入は品質低下にもつながる。そのため、回収後に分別しなくて済むように、入口で素材を統一した」。 売ってから回収することを考えるのではなく、ビジネスモデルとして回収を前提に置いたことも特徴の一つだと言う。