赤マナの後継? ツアーADは先系? ベンタスはハード系? スピーダーNX新モデル? <24年発売シャフト総括&25年動向予想>
「ベンタス」&「スピーダーNX」がともに好調のフジクラ
次に「フジクラ」ですが、こちらも今年はドライバーシャフトが豊作の年となっています。4月に「24ベンタスブルー」、9月に「スピーダーNX バイオレット」、11月に「24ベンタスブラック」と「レッド」を発売しております。ベンタスシリーズが3機種全て出たこともあり、1年間で4種類のシャフトが発売されました。24シリーズのベンタスは、全ての色でこれまでのベンタスのハードなイメージをやや払拭してきたシャフトとなっています。ある意味で今年は憧れのベンタスを打てる仕様に仕上げています。とはいえ、NXシリーズよりはハードな設定であることに変わりはないのでそこは注意が必要です。 またスピーダーNXバイオレットは、カーボン繊維の巻き方を変える事でヘッドスピードの向上に成功しました。女子プロに大人気だった初代スピーダーNXのDNAを受け継いだ、現状最強スピーダーといっても過言ではありません。来年はさすがに今年ほどドライバーシャフトが発売されるとは考えにくいですが、それでもNXシリーズとベンタスシリーズが最低でも1機種ずつ登場するはずです。NXは今年が初代の後継だったのでNXグリーンの後継が、ベンタスは一周回ったのでまたブルーの後継が出るのかなと思います。ベンタスは今年が少しマイルドになったので、来年モデルはまたハードなモデルになると予想しています。
12月に最新モデル「アッタスRXサンライズレッド」が発売
最後に「USTマミヤ」ですが、11月に「リンクホワイトEX」を発売しています。国内発売のリンクシリーズ第二弾は元調子のアスリート向けシャフトに仕上がっています。前作の「リンク ブルーEX」よりも手元の剛性を下げ、代わりに先端部の剛性をかなり高くしています。これによりかつてない強弾道と低スピンを実現出来るシャフトに仕上がっています。同社はアッタスシリーズとリンクシリーズの2機種で展開していますが、ここ数年はリンクシリーズをメインに発売しています。 ちなみにアッタスシリーズは、2022年の12月に発売された「ジ・アッタスV2」からしばらく発売されていませんでしたが、12月にアッタスシリーズの最新モデル「アッタスRXサンライズレッド」が発売されることが決定しております。この記事を書いている段階では、まだ私も現物を見ていないのですが、とにかく捕まる先調子ということだけは分かっています。先調子ということはアッタスキングの後継扱いになるかと思いますが、これはまだ詳細が分からないので詳しくは話せません。12月に最新のアッタスが発売されるということで、来年のアッタスはお休みで、リンクの別モデルが出るのかなという予測になります。リンクはブルーが中元調子、ホワイトが元調子なので、来年は中から先系のシャフトになると読んでいます。同社はドライバーシャフトの発売時期が変則になったことから来年の動向予想が難しくなりました。 振り返ってみると、今年はドライバーシャフトだけでもかなりの本数が発売されました。来年の予想が当たるかどうかは分かりませんが、それを考えるのもまた楽しみの一つです。同時にこれだけシャフト本数が増えると、本当に自分に合うモノが分からなくなります。シャフト選びに迷ったらぜひフィッティングを受けることをお勧めします。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
石井建嗣