「多嚢胞性卵巣症候群」の女性が不妊治療4年を経て授かった命「令和の子育て」夫婦の現実と本音
■経営者夫婦の子育ては「夫の提案で…」 ── 子育てと会社経営の両立は想像するだけでも大変そうです。 西さん:子どもが1歳になるころまでは、忙しすぎて記憶があまりないんです。子どもから目が離せないし、仕事でも大きな変化のある局面だったので、誰かに任せることが難しくて。どちらも全力で取り組みすぎて疲弊していました。生まれてから2週間くらいは、産後クライシスのような状態に陥ったことも。一時的に夫の実家に住ませてもらっていたのですが、子育てと仕事で気持ちが追い込まれ、夫に対してもピリピリしていました。
いまは落ち着いてきて、がむしゃらすぎない両立のペースがつかみ始めてきたところです。子どもとの時間も取れるようになりましたし、育児にも慣れて楽しくなってきました。とはいえ、起業して会社経営をしながらだと子どもと過ごせる時間が短いので、「成長に影響しないだろうか」と考えることも。子どもの習いごとにしても情報が多すぎて、何を選べばいいかわからなくなってしまいます。悩みはつきませんが、自分のなかでほどよいペースで、どちらもムリなく楽しくやれる範囲で取り組むのがいいのかなと思っていますね。
── 夫婦で育児の分担は決めていますか? 西さん:うちはお互い経営者で忙しく過ごしているので、「半分ずつに分ければやっていけそうだよね」という夫の提案で、家事や育児はきっちり分担しています。たとえば、子どもの寝かしつけは1日交代で行っていましたし、ミルクもそう。最初の1か月だけ母乳で2か月目以降は完全にミルクに移行したので、夫に任せる場面が多かったですね。 夫は朝が早いので保育園に送っていくのは私、お迎えは帰りの早い夫が担当。ごはんは私が朝作っておいて、帰宅後に夫が解凍して子どもに食べさせます。お互い就業時間がズレているので、できることを相談しながら決めていますね。子どもができるまでは、自分のすべてを仕事に注ぎ込んでいましたが、いまは、家庭も仕事も大切にしたいと思うようになりましたね。