トップアスリートとの共同開発が未来のLifeWearを創る パリ五輪に向け、ユニクロ×スウェーデンのトップアスリート協業コレクションを発売
ユニクロ有明本部内にある「服の基礎研究所/ラボ(人工気象室)」でのパリの夏の温湿度を再現したモニターテストや、練習時における試着などを行い、トップアスリートの生の声に基づいて修正を繰り返しながら完成度を高めてきた。北京ではスウェーデン選手団が過去最高の成績を残し、モーグルやカーリング男子で金メダルを獲得した。とくに冬の競技はエクストリーム系が多く、雪や寒さへの耐久性だけではなく宙を舞うために軽さも必要なモーグルや、静かに見えるけれども、ストーンを投げる際のボトムスの伸縮性が必要なカーリングなど、難易度が高い技術も求められているが、モーグルのチャンピオンから、「金メダルを取れたのは、半分はユニクロの力だった」という謝辞が贈られたことも記憶に新しい。
卓越した機能性と、都会に映えるシンプルで洗練されたデザインで、研ぎ澄まされた機能美を追求
そんな公式ウェア開発時の技術やノウハウのエッセンスを取り入れてMADE FOR ALL(あらゆる人のためのウェア)として商品化した「UNIQLO × SWEDEN ATHLETE COLLECTION」(ユニクロ×スウェーデンアスリートコレクション)は6月3日に発売した。コンセプトは公式ウェアと同じ、「The High-Performance Simplicity of LifeWear (研ぎ澄まされた機能美)」だ。
一足早く実際の商品を見て触った感触では、シャリシャリ、ピカピカといったスポーツアイテム特有のディテールや素材感、遠くからでもハッキリとわかるようなカラーリングは鳴りを潜め、運動時だけでなくタウンユースにも馴染むたたずまいだ。肌触りも良くなり、機能性も向上。しかも、各アイテムで混率は異なるが、全アイテムにリサイクルポリエステル素材を使用し、サステナブルなコレクションを実現している。また、日本ではわずか8型とコンパクトな展開ながらも、通常の商品群とほぼ同じ価格帯で実現しており、まさにLifeWearらしい仕上がりになっている。ユニクロの商品本部でグローバルMD部部長を務める小森田真也氏はこんなふうに説明する。 「北欧・スウェーデンのデザインはソフィスティケート(洗練)されているのが特徴です。シンプル、ミニマルなデザインで、ウェアを見た瞬間にそのお国柄が感じられるコレクションでありながらも、華やかで、かつ、歴史的建造物も多いヨーロッパ・パリの街並みに馴染む、落ち着いた都会的な印象で、街着としてフィットすることを意識しながら究極の普段着づくりを追求しました。最近、欧州でのユニクロのビジネスが非常にお客様に認められています。私たちがコアプロダクトとして提供しているLifeWearともこれらの単品をうまく組み合わせて着られるように意識し、ユニクロの本体にはないもので、かつ、本体のコレクションとコーディネートしやすいものを考えました」 同じメッシュ素材でも、競技用には通気孔を大きくしたり、強度の高いものを使うが、「選手の方々がリラックスするときにも着られるようにと、今回のコレクションは、より軽く、より滑らかに、をテーマにユニクロ本体のコアのファブリック開発担当者たちと一緒になって作り込みました。ハイゲージのファブリックで、メッシュ穴は細かいけれども通気性が高くてより滑らかで軽い。すでにユニクロの店頭で展開している商品とも連動したもので、まさに、スウェーデンのトップアスリートと共同開発したファブリックを使った商品として打ち出していきたいと考えています」