気象庁が南海トラフ地震に関する臨時情報の「巨大地震注意」を発表したことを受けて、三重県内の企業や自治体でも対応に追われた。 　三重県や県内の各自治体では、災害対策本部を設置し、防災関係の部局などで情報収集にあたった。四日市港を管理する四日市港管理組合でも災害対策本部を設けた。同組合では臨時情報が解除されるまで、２人体制で当直勤務を続けるという。 　県内企業では社内で災害対策を再確認しながら警戒にあたる。百五銀行は注意段階では通常営業。警戒となった場合、県沿岸部の事前避難対象地域にある店舗の休業を検討する。 　熊野市と熊野市観光協会は９日、17日の「熊野大花火大会」を予定通り開催することを決めた。今後の状況によっては変更する可能性もあるという。市の商工・観光スポーツ課の担当者は「当日は来場者に対し、避難経路の周知を徹底する」としている。 　防災用品や保存食の関心も一段と高まっている。

　保存食用ようかん「えいようかん」を製造する井村屋（本社津市）は、９月１日の「えいようかんの日」に合わせて同商品の供給を増やす予定だが、巨大地震注意に伴う受注増を見据え、さらなる供給拡大を視野に入れている。 　防災用品メーカーのラピタ（本社四日市市）では、巨大地震注意発表からの１日だけで平時の半年分の注文数があったという。出荷作業にあたるスタッフの増員やシフトを組み直すなどして迅速な供給体制に万全を期す構えだ。