【高校サッカー選手権】福井商、17年ぶりの選手権に王手!北陸をPK戦の末に下す
10月27日、第103回全国高校サッカー選手権福井予選の準決勝がテクノポート福井スタジアムで行われ、北陸と福井商が対戦。前後半で勝敗がつかず、PK戦までもつれた一戦は福井商が1-1(PK:6-5)で勝利した。 【フォトギャラリー】北陸vs福井商 「福井にはない取り組みをやって、こういうサッカーもあるよ、福井も捨てたもんじゃないでしょと見せたかった」。そう口にするのは高木謙治監督で、今年の福井商は攻め勝つサッカーを思考。3-4-3の攻撃的なスタイルを磨き上げてきた。 ただ、トーナメントが佳境を迎えたのは緊張もあり、上手く普段通りの力を発揮できない。「相手がどんな守り方してきても、パスとドリブルで崩していこうと練習してきたけど、今日はこういう舞台なのもあって、あまり上手く行かなかった」と振り返るのは高木監督。試合の立ち上がりは「今年は久々に3年生が主体のチームで力があると思っていた」と松本吉英監督が評する北陸に押し込まれる場面が続いた。 前半4分にはDF7吉田壮泰(3年)からのパスを受けたFW2永野壱佳(3年)がコンビネーションで中央を崩していったが、福井商の守備が対応し、CKに。7分にはMF9本葭歩翔(3年)のパスから、MF12小林晴太(3年)がゴール前を抜け出し、ゴールを狙ったが、GK12谷口空翔(2年)が触って、CKに持ち込んだ。 福井商の見せ場は前半半ばに放ったシュート2本のみ。決して満足のいく試合展開とは言えなかったが、後半からは中央の守りを警戒していた北陸の守りをサイドから崩しにかかる。3バックの左に入るDF17石本和輝(3年)の存在も攻撃の良いアクセント。「パスを出して止まらずにそのまま攻撃参加しようと意識していた。3バックの選手でもどんどん攻撃に参加すれば、フリーの選手ができる。相手の守備の形を崩してゴールを目指そうと、チームとしてやっています」とタイミングを見て、自陣からドリブルを仕掛けていく。 後半11分にはMF8谷口櫂我(3年)のドリブルから、FW9平田海成(3年)がクロス。GKが弾いたこぼれ球をMF10坪田太陽(3年)が狙ったが、シュートは枠の上にそれた。以降は互いにオープンな展開となり、両チームがゴール前に迫る場面が増加。21分には福井商の見せ場が訪れ、左クロスからFW11杉田友輔(3年)がゴールネットを揺らしたが、オフサイド判定となり、得点には至らない。 それでも諦めずに得点チャンスを伺うと35分には北陸のDF裏に落ちたボールを平田がシュート。この一撃はGKに阻まれたが、杉田が無人のゴールに押し込んだ。福井商は待望の先制点を守り切りたかったが、試合終了間際の40+3分には吉田がゴール前に入れたボールのこぼれ球をMF20西岡幹太(2年)に押し込まれ、同点となった。 延長戦でも決着がつかず、試合はPK戦までもつれた。両チームともにGKが1本を止めて迎えた5人は先行の北陸が成功。後攻の福井商業、DF6谷田月波輝(3年)のキックは枠の上の逸れ、北陸の勝利が決まったかのように思えたが、GKがキックの前に動いたと判定され、蹴り直しとなった。難しい状況で谷田は2度目のPKを蹴ったが、「やり直しになって、もう持っているなと思いました。思いっきり蹴るしかないという感じで突き刺した。迷わず降りぬこうって」ときっちり決めて勝利の望みを繋いだ。迎えた7本目は谷口空が北陸のキックを止めて勝負あり。1-1(PK:6-5)で勝利した福井商が決勝進出を果たした。 (文・写真=森田将義)