シート打撃を見守る巨人・阿部監督

　卓越した「決断力」は日本シリーズ進出への〝追い風〟となりそうだ。 　巨人は14日に東京ドームで全体練習を行い、16日に開幕するDeNAとのCSファイナルステージに向けて調整。阿部慎之助監督（45）は「やることは一緒」とし「先制点だったり、1つのフォアボールだったりとかは致命的になってくる」と冷静に語った。 　指揮官は就任1年目から4年ぶりとなるリーグ優勝を達成。その〝すごみ〟について村田善則総合コーチ（50）はこう打ち明けた。 「同じ捕手を経験しているからこそ分かるけれども、すごい視野が広いし、試合中は『本当に自分がそこ（グラウンド）に座っているかのような感覚』でゲームに入ってるのがすごく伝わる。守備位置や試合展開とかいろんなところに敏感に頭を巡らせているし、我々（コーチ陣）もゲームの中で起こりうることをどんどんサポートしていくけど、そこでパッパッと決断していく。判断材料として提案すると、そこに対する決断力も速かった。本当に頼もしかったよね」 　阿部巨人としては初めてCSファイナルを戦うことになるが、短期決戦では瞬時の判断が明暗を分けるケースも少なくない。それだけに監督のジャッジが速ければ速いほど、首脳陣との連係をよりスムーズにできる上に信頼も増してくる。 　特にDeNA打線はファーストステージで2試合連続の2桁安打を記録して阪神を撃破。特にオースティンや佐野、牧といった勢いづいている強打者たちを止めるためにも、阿部監督の素早い決断は大きな武器となる。12年ぶりの日本一へ、ここで歩みを止めるわけにはいかない。